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お返事です・その224

明日は出雲に行ってきます。
因幡の白兎の話をしてくれるはずなので大変楽しみです!

さて、突然ですが。
みなさま「蟲師(むしし)」という作品をご存知でしょうか。
この日記でもたまーに触れることはあったのですが、今のところコメントなどで「知ってますよ」というコメントを頂いたことがないので、意外とこの界隈ではご存じない方が多いのかもしれません。
基本的に一話完結のオムニバス形式の話で、レギュラー出場するのは狂言回し的ポジションの「ギンコ」という男だけです。
「蟲」という特異な存在と人との関わりを描いています。

―およそ遠しとされしもの
―下等で奇怪
―見慣れた動植物とはまるで違うと思しきもの達
―それら異形の一群を、人は古くから畏れを含み
―いつしか総じて「蟲」と呼んだ。


ギンコはその蟲との関わりを生業とする「蟲師」という職業の男です。
漫画の方は全10巻で完結しています。
「夏目友人帳」と似たような雰囲気といえば伝わるでしょうか。
しかし、夏目の方はほぼ創作の妖怪が登場するのに比べて、蟲師は土地の風俗や伝承を下敷きにした話が多いです。
蟲自体はもちろん創作ですが、話自体はどこか身近で心の奥深いところに届くような内容だと思います。
夏目が感情に訴えかける話とすれば、蟲師は記憶に訴えかける話といえるかもしれません。
蟲師はアニメ化もされていて、それが原作ファンにも絶賛されているほど素晴らしいできばえです。
私が特に思い入れ深い話は「山抱く衣」と「やまねむる」の二つ。
「山抱く衣」は「産土(うぶすな)」という蟲が出てきます。
この界隈なら聞いた事のある方も多いですね。
「産土信仰」「産土神」などの言葉でよく出てくるあれです。
私にとって産土のイメージは蟲師の「山抱く衣」の産土のイメージがとても強いです。
この話では産土というのは「蟲」の一種として描かれています。
ギンコは話の中で

―産土は同郷の匂いに集まるからな
―その土地から生じるすべての植物に微量に宿る
―そしてそれを口にして 動物も体内に産土を宿す
―どこにでもいる小さな蟲だけに影響力は小さいし
―宿主が土地を離れればまったく力を失う
―生まれた土地に戻りさえすれば
―また 生涯 他のささいな蟲からは守ってくれようとするモノだがな


と説明します。
小さいけれど、凄く暖かくて愛しい気持ちになりました。
山から白い霧が立ち上っているところを見るたびに、この話を思い出してます(笑)





また、「やまねむる」も山に関する話です。
こちらは山の「主」が出てきます。
「人」も山に生きるものの一つ。
では「人」も山の「主」になれるのか。
そもそも「主」とはどんな存在なのか。
神話を好きになり、「主」と出てくる度にこの話を思い出します。





他の話もおススメばかりです!

小梅さま

ようこそお越しくださいました小梅さま!!
お待ちしておりました!!
粗茶ですが・・・つ[麦茶]<今日は天候にも恵まれたお陰か車の中が蒸し風呂のようでした・・・

>古文に色を感じる、という表現に、何かストンと納得しました。

ものすごく抽象的な表現になってしまいましたが、伝わって凄く嬉しいです!
物語り全体からももちろんいろんなイメージを受けるのですが、それとは別に古語の単語自体にすごく気になるものがあるような・・・という感じです。
言葉が言葉としてだけではなく、何か形や雰囲気を伴っているような・・・上手くいえないのですが(^_^;)

>言葉のひとつひとつに、濃度の高い何かがまとわりついている感覚でした。

うわあああああああ!!!!
まさにそんな感じです!
そういう感じのことがいいたかったわけです!!!おおおおおおおお!!!
こんなにぴったりの表現があったとは!
すごいです!!

>私は卒論で紫式部を扱ったのですが、

卒論で紫式部!
ということは国文学系統の学部ご出身のお方でしょうか?
なんとこんなところにモロ専門のお方が!
奇跡の縁を感じます。
国語できなくてスミマセン・・・!でも好きなので頑張ります!
何かツッコミどころがあったらぜひ教えてやってください!

>式部の文章に絶えず香りを感じていました。

香り!
香を焚き染めたような雅な感じでしょうか。
すごく分かる気がします!

>書いた本人と、何百年も経て読む私達とでは受け止める何かが違うのは仕方ありません。埋められない時差はあるものです。
>それが文字として書かれた以上、読まれるために残されているので、時差ボケしつつ、感じることができたらいいのかな と思います。


時差ボケしつつ!
この表現が妙にツボに入ってしまいました。
本当に、そんな感じですね。
埋められない時の狭間に夢を見つつ、残されたものをじっくり味わいたいと思います。

>また長くなりました。
>長いわりに先ほどのとあまり変わっていません… スミマセン。

>修行が足りないのを実感しております。
>長々と失礼しました。


とんでもない!
素晴らしく琴線に触れる言葉の数々を頂きとても嬉しかったです!
いつも言葉の足らない私を絶妙に補ってくださる方々が本当にありがたいと思っております!
ぜひ今後とも末永くよろしくお願いします!

コメントありがとうございました!!
小梅さまのまたのお越しを心よりお待ちしております!!
紫のRさま
ようこそお越しくださいました紫のRさま!!
なんとみやびやかなお名前でしょうか!
そんなステキなご婦人にはこれを・・・つ[むらさき芋ジュース]<地元のスーパーで野菜ジュースにまぎれて神々しい色彩を放っていました

>源氏の記事が!! わあああ、奇遇です。
>きっと、私は兼倉さまと何か不思議な萌葱色の糸でつながっているのだと思います。(切らないでください…!!)


運命の萌葱色の糸!
むしろより合わせて太い縄にしたい勢いです!出雲大社の注連縄レベルの太さを目指します!(やりすぎ注意)

>言葉が万葉集と近い、というのに驚きました。

似たような言葉がたくさん出てきます。
万葉集の時代とは300年くらい違うんですが、底に流れる雰囲気というかそういうものが何か近いような気がします。
単語的にも古語として親しんでいるものがたくさん出てきます。
現代語訳をお読みになられた暁には、ぜひ原文にも目を通してやっていただけるとRieさまならとても楽しめるのではないかと思います!
現代語訳は入り口なのです!原文を見ると本当に楽しめると思います!
ぜひ!

>兼倉さまのワクワクが伝わってきましたよ!

伝わりますか!このワクワクが!!!
嬉しいです!本当に嬉しいです!
ぜひいっしょにワクワクしたいです!!

>源氏物語は「草子地(そうしじ)」という書き方をしているそうです。

>「草子地」という書き方知りませんでした。
>語り手が三人想定されている、というお話をきいて、そうだったのか! とひざをうちました。
>源氏物語の世界に引かれていきそうな予感があります。


私も講座で初めて知りました。
源氏物語は話の内容を追う以外にも、もっといろいろな楽しみ方がありそうです。
紫式部が源氏物語に施した様々な仕掛けを読み解いていくのが今から凄く楽しみです!!!

>今年の夏もいろいろ萌え的にアツくなれそうです。(暑苦しくてすいません)

ここ数年毎日常にアツくなっていますが、今年は特にアツくならなければならない年だと思っています!!!
ぜひいっしょにアツくなりましょう!!!
神話博の情報なども随時UPしたいと思います!!

コメントありがとうございました!!
紫のRさまのまたのお越しを心よりお待ちしております!!


最近拍手御礼記事の前置きがものすごく長くなりがちになってますね。
自覚はあります。
別の記事にしたほうがいいのかどうなのか。

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