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九州行く日決定

九州、というか、宮崎旅行の日程が決まりました。
7月19~21日の三日間です。
今から半年後が楽しみすぎる。
でもまずは明日からの富山県旅行を楽しむわけです。
旅行がこんなに楽しいものになるとは、昔は思ってもみませんでした。
薄紅にハマって古代史を勉強するようになって、私の何もかもが大きく変わりました。
こういう世界を知らなかったころもそこそこ楽しく生きていたし後悔はないですが、もう知らなかったころには戻れないと強く感じます。
旅行に行くまでに何かしら更新できたらいいなあと思います。
話なり語りなり何かしら薄紅で。→いろいろ書いていたら空色になりました。(唖然)
ちーさやの短めの話です。

なくしたつばさ

<なくしたつばさ>

夜のしじま。
やさしい闇。
褥の中でじゃれあいながら、その人が言った。

「狭也がわたしを稚羽矢と呼ぶから、わたしはもう夢を見ないのだ。あなたの呼ぶ稚羽矢でいたいのだよ」

例えば鳥になりたいとか、例えば魚になりたいとか、子どもならだれでも一度は夢に見る。
そして、大人になるにつれてだんだんと知っていく。
自分は自分以外の何者でもないのだということを、諦めとともに。
狭也は稚羽矢の夢を奪ってしまったのかもしれない。
稚羽矢がいつか恋の熱から覚める日が来たら、自由に夢を見ることができていた日々を懐かしく思い出すのではないだろうか。
狭也が、自分がまだただの里娘であったころ、気ままにまるで背につばさが生えたみたいに自由に飛び回っていたころを、ときおり懐かしく思い返すように。
だけど、と狭也は思う。
不思議なことに、昔を懐かしく思い返すと、それと同時にたまらなく稚羽矢の腕が恋しくなる。

「狭也がわたしを稚羽矢と呼ぶから」

それなら稚羽矢、あなたも。

「稚羽矢、あたしがあなたを呼んだら、あなたもあたしを狭也と呼んでちょうだい」

狭也の目の前でその人の唇が動く。
その中の、あかくねっとりとした舌が闇を割る。

「狭、也」

なくしたつばさは、もう必要ない。
某お方の拍手小話で稚羽矢が狭也について語る話を読ませていただいた時に私の中に衝撃的に浮かんだ話でした。
今更書いてみました。

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