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夫が妻の髪を結ぶ

たけばぬれ たかねば長き 妹が髪 このころ見ぬに 掻(か)き入れつらむか


また凄いネタを聞いてしまったー!!
前に日記で「自分で書くのは、髪をいじるのは妻が夫のをいじるのがいいなぁ」とか書いたことがありましたが、万葉時代はむしろ逆に夫が妻の髪を結うのが公認だったと知りました!
な、なんだって!?

上の歌は、男が結婚直後に病気になってしまって、新妻に会いにいけないのを嘆いて作った歌です。
大方の意味としては、

結うには短くて解けてしまい、下ろしておくには長い妻の髪。このごろ会っていないが、もう結い上げてしまっているのだろうか。


妻はかなり若かったようで、まだ髪の長さが子どもの髪の長さ(おかっぱ。子どもは結わない)に近かったのですが、自分が病の床で臥している間にもう伸びてしまっただろうなぁという、一見すると会えないでいる時間の長さを言っている様に思えるのですが、この「髪を結う」のが男の役目とすると、これは「もう(別の男が)結い上げてしまっているのだろうか」と言っているとも取れるわけです。
これに対して妻は「あなたに会うまでどんなに乱れても下ろしておくわ」と返すわけですね。
なかなかほほえましいエピソードです。
で。
この話を聞いて薄紅夫婦妄想が萌え滾ったのはしょうがないことですよね!
阿高は鈴の髪を綺麗に結えるのか!?(でもヘタでも許してもらえそう。そして鈴は後で見かねた千種か美郷がちょっとだけ直してくれる)
藤太は千種の髪を結わせてもらえるのか!?(千種は自分で結っちゃいそう。そして藤太に後でごねられる)
おおおおおおおお!!!
たたた楽しそう!!
とりあえず藤千で。

「千種、起こしてくれと言ったのに」
「しょうがないわ。よく眠っていたもの」
「明日は必ずおれが結うからね」
「別にいらないわ。自分で出来るし、それに藤太に頼むと、よ、余計な、ことまで、するし・・・」
「それは髪を結わなくてもするから関係無いよ」
「!!」

みたいな!ね!(は)
そして阿高は鈴の髪がうまく結えないのを気にして、こっそり自分の髪で練習するんだけど、自分の髪もうまく結えなくなってきて(猫っ毛だから弄りすぎると絡まってしまう)、結局鈴に結い直してもらうといいよね!
結局どっちにしろ自然にイチャつく阿苑!萌える!

話聞いたとき私は厳重にメモった上に赤線引いて☆マークまでつけてしまったわけですが、講座のお話のほうではかなりするっと流されていきました。
い、いいけどね!

あと、私は庶民の歌の伝達方法については勝手に木簡か何かに墨書して誰かに届けてもらっていたのかなぁと思っていたのですが、場合によっては誰かに伝言の形で伝えてもらっていたのかもと言われてかなり目から鱗でした!
おおおおお!
これ恋歌だったらまさしく恋のキューピッドですね!
千種が怒って藤太に会ってくれなくなったら、阿高が藤太の歌を伝言するとかいいかもしれない!

「・・・あ、そうだ。千種、藤太から伝言なんだが」
「どうせろくなことじゃないんでしょう」
「『いかにして 恋ひばか妹に 武蔵野の うけらが花の 色に出ずあらむ』だとさ」
「・・・・・・」
「藤太は藤太なりに反省してるみたいだったぞ」
「・・・阿高『入間道の 於保屋が原の いはゐつら 引かばぬるぬる 我にな絶えそね』と、伝えてくれる」
「直接言った方が喜ぶと思うが」
「・・・無理だわ」
「分かった。きっと藤太の奴はすぐに飛んでくるよ」

さすがに千種こんなこと言わなそうですけども・・・。
でも「入間」と入っていたので無理やり言ってもらいました!
訳は藤太のほうが「どんなふうに恋慕ったら、好きな人に対して、武蔵野のおけらの花の色のように表に出さずにすますことができるのだろうか」で、千種のほうは「入間の於保屋(おおや)が原いわい葛のように、引き寄せたらなそのまま滑らかに寄り添って、わたしとの仲を絶やさないようにしておくれ」となります。※参考:伊藤博(いとうはく)先生
でも、創作に歌を入れるのはそもそも私が知識不足なので、こっちのネタは暫く封印の方向で^^;

万葉集はホントに東歌や防人歌での東国の人たちのイチャつきっぷりが堪らないですね!
東国の人自重!・・・あ、いや、やっぱもっとやれ!
万葉集楽しいです。

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