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続き

※前の記事の続きの藤千です。

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夫の足の間で膝立ちになって、千種は手を伸ばした。
座るとあまりに顔が間近になるので、少し高い位置から夫の髪の毛を掴む。
指を忍ばせると、かなり芯のしっかりした髪であることが分かる。
感触はやや固め。
束ねている結い紐をするりとほどく。
戒めから放たれた黒髪の束がばさりと肩に落ちる。
胸元にある夫の顔をちらりと見る。
夫は微動だにせず、大人しくされるがままになっている。
それを確認して、千種は少し近づくと、夫の頭を包み込むような格好で硬い髪の毛の中に細い指を埋もれさせて丁寧に梳いた。
藤太の髪は殆ど絡まることなく千種の繊細な指使いによって難なく整えられてゆく。
ふと、千種は昨日これと似たような光景があったことを思い出した。

(そういえば、昨日クロを撫でてやった時もこんな感じだったかしら)

目を閉じたまま気持ち良さそうに髪を弄られている藤太は、まるで大きな犬が主に安心して身を預けているようにも思えた。

(なんだかかわいらしいわ。・・・いつもこうだといいのに)

藤太はもしかしたら昨日の光景を見ていたのかもしれない。
千種は特別丁寧に髪を梳いて、ゆっくりと結い上げた。

「藤太、終わったわよ」

千種の声に、藤太はゆっくりと目を開けた。
そして右手で自分の髪を触って確かめた。

「・・・うん。上出来。ありがとう千種」

藤太は満足そうに笑うと、約束どおり千種を解放した。
上機嫌で自分の髪をいじっている藤太に、千種は小さく笑ってため息をつく。

「・・・ねぇ藤太。洗濯はあと二枚で終わるの。もし、藤太にもう少し時間があるのなら、洗い終わった布を屋形まで運ぶのを手伝ってもらえないかしら」

それを聞いて藤太は嬉しそうに笑った。

「もちろん」

なんならきみごと運んでもいいんだけど、といつもの彼らしく軽口を言うのへ、結構よ、と妻もいつもどおりに素気無く返す。
愛おしい日常。

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馬鹿話どころか凄いほのぼのした話になってしまいました!
どうした藤太!(どうして欲しかったんだ)
千種の胸が物凄い至近距離(文字通り目と鼻の先)にありながら何もしないなんてうちの藤太としてはありえない話だと思うのですが(どんな思い込み)、ここは藤太ですし、あれです、「大人の男の余裕」みたいなやつで乗り切ってくれたんです!
藤千でほのぼのもいいなぁ!(開眼!)
折角藤千気分が盛り上がったので、次回の更新は伊勢阿高を休んで竹芝in藤千でいこうかなぁ!
しかし書きかけの藤千ネタにはほのぼのが一つも無いが・・・(←!?)
そろそろみなさん私の伊勢阿高なんて飽きてきてますよね!
続き物でも無いのにいつまでやってんだっていう感じですよね!
分かってますよ!(痛)
でもネタがあるので多少吐き出すまでは続きます。(休みを挟みつつ)
お付き合い頂ければ幸いです。