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寒い日藤千

苑上語りは一旦閑話休題いたしまして、どんだけやってるんだというネタの「寒い日」で藤千。

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「千種、いつまで繕い物をやっているんだい」
「もう少しよ」
「寒いよ千種」
「先に休んでいて構わないわよ」
「そうじゃなくて・・・」
「きゃ!藤太、危ないわよ!今針を持っているのに!」
「じゃあ針を置いてください」
「だめよ。今やっておかなければ、後々困るのは藤太なのよ」
「う・・・それは、そうだけど」
「さあ離してちょうだい」
「うう・・・」
「まったくもう」
「あとどれくらいなんだい」
「もう少しよ」
「うう・・・寒くて死にそうだ・・・」
「おおげさね」
「千種ぁ・・・あ、そうだ。じゃあ折衷案を取ることにしよう」
「折衷案?」
「おれは寒い。千種は繕い物がある。その両方を解決する素晴らしい案だ」
「どうするの」
「おれが千種を膝に乗せる。千種はそこで繕い物をする」
「な!」
「何て素晴らしい案だろう!さっそく実行しよう。・・・あれ、千種、どうしてそんな隅にいるんだ?」
「だ、だめよそんなの」
「どうして」
「どうして、て・・・う、うまくいくはずないわ」
「やってみなくちゃ分からないよ。さあこっちへおいで」
「いや」
「じゃあおれがそちらへ行こう」
「来ないでちょうだい」
「はいはい」
「きゃあ!や、いやよ!離しなさい!」
「ああ、やっぱり千種は暖かいなあ!柔らかいなあ!いい匂いだなあ!」
「藤太!」
「どうして嫌がるんだ。別にだれも見ちゃいないのに」
「だ、だって・・・」
「ほら、おれもこれ以上はなにもしないから、繕い物をしなよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・千種、それじゃあきみの指が危ないよ」
「っ・・・」
「・・・本当に、どうしたんだ千種。指が震えているじゃないか」
「・・・っ・・・な、なんでもないわ」
「あ、待った。・・・・・やっぱり、手が随分冷えている」
「これは・・・」
「やっぱり千種も寒かったんだな。よし、今日はもう終わりにしよう。明日は別の着物を着ればいいさ。はい、針はこっちね」
「藤太、だから、これは・・・」
「ん?」
「・・・・・・なんでも、ないわ。もう今日は休むことにする」
「それがいい。さあ行こう。寝床の準備は整っているよ」

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手が冷えてたのは緊張したからとかね!(妄想)
藤千は千種が素直になってくれるタイミングでぬくもれるか否かが決まる気がする・・・。

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ここまでの日記ログを上げておきました。
ご報告まで。