イザナキとイザナミの国産み神話:前編
- 2011/07/13 23:59
- Category: 趣味>古事記
本日は日本神話の中でも最初のクライマックス!(と私が思っている)
「イザナキとイザナミの国産み神話」
について語りたいと思います!
※上の「イザナキ」という表記に違和感を覚えた方もいらっしゃると思います。
「イザナキ」は「イザナギ」と書かれることも多いです。
しかし現在は「イザナキ」と発音するのが正しいらしいという学説が出てきています。
それが本当に正しいのかどうかは私にはよく分かりませんが、一応それに倣うことにしようかと思います。
で。
国産み神話ですよ!
日本神話では国を産んだのはこのイザナキとイザナミという二柱の神様ということになっています。(二柱=ふたはしら、と読みます。神様の数え方は一人二人ではなく一柱二柱となります。音読みで「にちゅう」と言う人もいます。どちらでもOK!)
ここで、なぜこの二柱の神様が国を産むことにしたのか、ご存知ですか?
国産みや天地創造といわれるものは世界各国の神話の殆どで一番最初に出てきます。(たまに出てこない神話もありますが)
とても重要な行為です。
キリスト教の聖書の神話では一番初めに出てくる神様が一番最初に天地を創造します。
ご存知の通り、一神教の絶対神が全てを創造する大変勇壮な神話です。
また、アイヌ神話(カムイユーカラ)でもやっぱり一番最初に出てくる二柱の神様が色々作っていきます。
五色の雲なんかは中国思想の影響を受けていそうですが、とても素朴で自然を愛するアイヌ民族特有の優しい雰囲気に満ち溢れた慕わしい神話です。
中国神話では何と始めに出てくる神様がいきなり死んでしまい、その遺体から様々なものが生まれて世界が出来上がります。
中国独自の思想が大変面白いです。
因みに日本国内の出雲神話でも一番初めに出てくる「八束水臣津野(やつかみずおみつの)命」が出来たばかりの小さかった出雲国を色々な場所の余った土地をひっぱって大きくします。
古事記には記載がなく、同時代に出雲国の人たちが編纂した「出雲国風土記」に載っています。
これもやはり大変ダイナミックな神話で面白いです!
さて、それではイザナキとイザナミはなぜ国を産むことにしたのかというと・・・答え。
他の神様に命令されたから。
!!!
いきなり人任せな理由です。
そんなきっかけで日本が出来たんかい!
っていうか、他の神様って誰?
イザナキやイザナミという国を産む神様よりも偉い神様が始めに現れて、二番目に現れたイザナキとイザナミに国を作らせたということなのか?
いやいやいや。
違います。
イザナキとイザナミが生まれたのは二番目ですらありません。
一応神様が現れる順に書き出してみます。
1.
2.
3.
4.
5.
6.
7.
8.
9.
10.
11.
12.
というように、実はイザナキとイザナミは始めから数えて十二番目に出てきた神様だったんです。
多すぎる!なんだこの数は!
因みにイザナキ&イザナミよりも前に出てくる神様は、二番目の高御産巣日神と三番目の神産巣日神以外は全く何もしません。
名前が出てくるだけで、消えてしまいます。
古事記本文最初の部分(の訓読文)を引用します。
天地 初めて発 れし時に、高天原に成りし神の名は天之御中主神。次に高御産巣日神。次に神産巣日神。
この三柱の神はともに独神 と成り坐して、身を隠しき。
ホントに消えちゃった!
※独神とは性別のない神様という意味です。
性別が分かれるのは八番目のウヒジニ&スヒジニからで、それ以前は皆性別のない独神です。
それから「高天原」とは神様がいる天上界のことを指します。
読み方は「たかまがはら」「たかあまのはら」「たかまのはら」など色々あります。
私ははじめに読んだ本の影響で「たかあまのはら」と読んでいます。
一番初めに出てくる「天之御中主神」とか、さも一番偉そうな(なんせ全ての中心にいるという意味の名前)雰囲気なのに、上記のとおり出てきてそうそう何もせずに消えてしまうんです。
折角出てきたのに消えるとか、正直あなた方は何のために出てきたのですかと問いたくなりますね!
しかし今回は時間の都合で割愛します。(いつかまた別の機会にでも)
さて、ちょっと長くなりましたので今回はここで一旦区切りたいと思います。
国産み神話について語ろうとしたのに全然そこまでたどり着きませんでした・・・。
次回で産みます!
そして例の日本最古のセクハラ発言(笑)が出ますので乞うご期待!
追記
読み仮名をルビ表示にしてみました。
今までルビ表示は文字が小さすぎて読みにくいかも…と思っていたのであえて後ろにカッコつきで書いていたのですが、最近それだとどうしてもクドイかなぁとも思いはじめまして…。
どうですか?
どちらも労力的には大した差はありませんので、よろしければご意見などお気軽に拍手やこの日記のコメント欄から教えてくださいませ<(_ _)>
Mikayasi
Mikayasiです。薄紅天女の二次創作を求めて、このブログを見つけたのですが、古事記について書かれているのを見つけ、読んでみました。すごくわかりやすいです!
私が、日本の神話に出会ったのは小2の時で、本で読みました。それから、中1で再燃しました。ずっと、伊邪那岐命、伊邪那美命、天照大御神、須佐之男命、大国主・・・の事は、みんな知っているものだと思って生きてきたのですが、誰に話しても「誰?」と言われるので驚きました。話せる人が本当にいないです。どうして好きなのかと言われると、わからないのですが、なんとなく好きです。なぜなのでしょうね。
長くなってすみません。ありがとうございます!