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木梨之軽王と軽大郎女(禁断の兄妹愛)

Rieさま・・・!
激励ありがとうございます!!
本当は来週辺りからまったりはじめようかなぁとかゆるい考えだったのですが、激励を頂いたらやる気10倍100倍になって一気にやってしまいました!
単純なヤツでスミマセン(笑)
単純だと生きるの楽しいよねってよく友達から言われますが、当然楽しいに決まっている・・・!

そんなわけで、やってみます!
木梨之軽王きなしのかるのみこ軽大郎女かるのおほいらつめの「禁断の兄妹愛」。
本文に入る前にちょっと事前知識として。

1.木梨之軽王きなしのかるのみこ軽大郎女かるのおほいらつめは同母の兄と妹であり、前回やった磐姫の直系の孫に当たります。

2.さらに同母弟に万葉集冒頭に歌を残す雄略天皇がいます。

3.軽大郎女かるのおほいらつめはまたの名を衣通郎女そとほりのいらつめ(または衣通王そとほりのみこ)といい、由来はの身の光衣より通り出づればなり。」といわれるほどの絶世の美女でした。

というあたりを頭に入れておいていただくと多少時代やら人間関係やらが飲み込みやすいかもしれません。
では、さっそく本文にいってみます!

天皇すめらみことかむあがりまししのち木梨之軽きなしのかるの太子ひつぎのみこを、つぎらしめすに定め、いまだ位にきたまはぬあいだに、のいろ軽大郎女かるのおほいらつめ?たはけて不倫な関係を結んで歌曰うたひたまひしく、
  あしひきの<枕詞> 山田やまだをつくり※山に作る田は獣から守らなければならない
  山高やまだかみ 下樋したびわし※下樋は田に水を引くために地中に埋めたとひ
  下娉したどひに いも※上二行が秘められた恋をこっそり交わしてきたことの
  下泣したなきに が泣くつま  例え。下=こっそりと、娉ふ=妻問い
  今夜こぞこそは やすはだ
志良冝しらげうたなり。


山に田を作り(=山に田を作るということは低地の田と違って必然的に山の獣から田を守らなければならない)
その高い山の田に水を引くために(外からは見えない)地面の下に樋
(通水管)を通すように
ひっそりと守り隠しながら我が妹と交わしてきた恋(妻問い)
ひっそりと泣いていた妻
今夜こそは安らかに肌に触れたい


はー!
何という直球!
何という情熱!
このテンションはまだ次の歌に続きます!

あ、泣いているのが自分の奥さんなのか妹なのか解釈が別れますが、私は妹が泣いている解釈かなと思ってます。
ちなみに、あしひきのは「山」にかかる枕詞ですのであえては訳してません。
語源や由来は不明ですが、私が昔読んだ本では足を引きながら上る、、、、、、、、、ほど険しい坂道(山道)からきているのではないか、という説明のイメージで覚えています。
なお、シラゲ歌というのは「尻上げ」に歌う歌のことだそうです。

では続き!

また歌曰ひたまひしく、
  笹葉ささばに 打つやあられの たしだしにたしだしに=笹葉に霰が当たる音
  率寝ゐねてむのち共寝をしてしまった後は 人はゆとも
  うるはしと さ寝しさ寝てば
  刈薦かりこもの 乱れば乱れ さ寝しさ寝てば刈薦=刈り取ったコモ。この時代はこれを敷いて寝るのが一般的
此は夷振ひなぶり上歌あげうたなり。

笹葉に霰がタシダシ、、、、と打ち付ける、そのようにたし、、かに
共寝をしてしまった後は、人は離れてしまっても
愛しい思いのままに共寝が出来さえすればいい
敷いている刈コモが乱れに乱れるほど共寝が出来ればいい


熱いね・・・!
読んでて悶えそうになるほど熱いよ・・・!
流石に藤太もここまでじゃないかもしれない・・・(いらない戯言)
あえて説明する言葉もありませんね。
でも重要なものを見つけました。
「刈薦」
古墳時代(白鳥異伝)創作する時には、敷いて寝ているのはこの「刈薦」ですね!
私はするかどうか分かりませんが、もし白鳥創作なさる方がいらっしゃいましたら是非お使い下さい!
「刈薦が乱れる」という表現は激しく共寝をまあそこまで言わなくてもいいか。
なお私個人のイメージですが、空色勾玉=弥生~古墳時代初期、白鳥異伝=古墳時代中期~後期の風俗を想定して読んでいます。あくまでも私の勝手なイメージですが。(でも空色は若干縄文時代の名残もあってほしい・・・)

さて、こんなに熱い思いを滾らせている木梨之軽王ですが、そんな二人の関係も長くは続きません。
次回は二人の関係がバレてしまいます。
父天皇亡き後、日継ぎの皇子でもある木梨之軽王の一大スキャンダルに宮の人々がとった行動とは!?


あ、16日の19時台と20時台に拍手を下さった方ありがとうございます!
こちらも勝手に古事記話への激励と解釈させていただきました!(違ってたらホントスミマセン・・・)
この記事が御礼になっていればいいのですが・・・。(無理か・・・)
拍手とても嬉しかったです!
ありがとうございました!