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日向神話~天孫降臨~(その一)

ぼけっとしている間に旅行まで10日を切ってしまいました!
果たして間に合うのか!?
万が一間に合わなかったら帰ってから続きをやると思います。
でも頑張って10日で全部語り終えてから向かいたいです!


それでは、日向神話冒頭の天孫降臨です!

(しか)くして、天照大御神・高木神の(みこと)(もち)て、太子(みこ) 正勝(まさかつ)()勝々速(かつかちはや)()(あめの)(おし)()耳命(みみのみこと) に(のりたま)ひしく、

「今、(タケミカヅチが)葦原中国を(たいら)(をは)りぬと(まを)す。(かれ)(こと)()(たま)ひし(まにま)に、(葦原中国へ)(くだ)()して()らせ」

とのりたまひき。

アマテラス「さあオシホミミ、あなたが心配していた葦原中国の野蛮な国津神はタケミカヅチが片を付けてくれたわ。さっそく天降って葦原中国を統治しなさい」

大変長い名前の神様が出てきましたね。
マサカツ アカツ カチ ハヤヒアメの オシホミミのミコト という区切り方で読むと読みやすいです。
通常略して「オシホミミ」と呼んでいます。
実はこの神様は、以前ここで語った「スサノヲとアマテラス」の「誓約(ウケヒ)」の場面でアマテラスの勾玉をスサノヲが噛み砕いて吐き出したときに生まれた神様の中の一柱です。
あの神話がこんなところに繋がっていたのかと思うとちょっとびっくりしますね。
ちなみにいきなり出てきた高木神は説明すると長くなるので省きます。
「なんか凄く偉い神様」とだけ思っておいてください。

さてこのオシホミミ。
アマテラスの子どもでありながら、前回の前置き(国譲り神話)の時は大国主たちを恐れて天降りを拒否した神様でした。
やっと大国主たちを黙らせることができたので、アマテラスはこれで安心して葦原中国に行きなさいと言っています。
それに対してオシホミミはというと・・・

爾くして、その太子正勝吾勝々速日天忍穂耳命の(こた)(まを)ししく、

(やつかれ)が降らむとして装束(よそ)へる間に、子、生れ出でぬ。名は (あめ)邇岐志(にぎし)(くに)邇岐志(にぎし)(あま)津日(つひ)(たか)日子番能邇々芸(ひこほのににぎ) 、この子を降すべし」

とまをしき。

オシホミミ「聞いてくれ母さん。決して行きたくないわけじゃないんだけど、準備をしているうちに子どもが生まれちゃってさ。ニニギっていうんだけど、こいつを行かせたほうがいいと思うんだよね☆」

私訳がかなり私の思い込み補正されていてスミマセン。
でも思いませんか、絶対おまえ行きたくないんだろう?と。
生まれたばかり(たぶん)の息子を天降らせてまで頑なに自分が行くことを拒否しているように見えてなりません。
私のまったくの思い込みですが!

さて、このニニギも大変名前が長いですね。
アメニギシ クニニギシ アマツヒタカヒコ ホノニニギのミコト と区切ると読みやすいです。
通常は略して「ニニギ」と呼びます。
このニニギには実は兄がいます。
(あめの)()(あかり)命」といいます。
本筋にはかかわりがないので本文は省略しますが、尾張氏や海部氏などの東海地方に勢力を持っていた集団の祖神として紹介されていることが多いです。
東海を語るときにまた触れたいと思います。
ヤマトタケル命ファンか白鳥異伝ファンの方のほうが詳しいかもしれませんね。

話を進めます。
オシホミミが息子を天降らせたほうがいいと母アマテラスに進言しました。
アマテラスはまだ赤子の孫に宣言します。

ここを以て、(まを)しし(まにま)に、日子番能邇々芸(ひこほのににぎ)命に(おほ)せて(のりたま)ひしく、

「この豊葦原水穂国(とよあしはらのみずほのくに)は、(なむち)が知らさむ国ぞと言依(ことよ)し賜ふ。(かれ)(みこと)(まにま)に天降るべし」

とのりたまひき。

アマテラス「豊かで瑞々しい葦原中国はおまえが統治するべき国よ。さあニニギ、天降りなさい」

そんなわけで、オシホミミではなく赤子のニニギが天降ることになってしまいました!
ちなみにニニギの名前の意味は西宮一民さんが
「天にも親しく地にも親しい、天上界の神聖な男子で、日の御子である、稲穂の豊穣」
と説明しています。
まさに豊葦原水穂国を統治するのにうってつけの名前ですね。

ではここで。
私は通常古事記を読むときは書かれている物語の中にどっぷり浸かりながら読んでいます。
書かれている風景の中で神様たちが喋ったり暴れたりしている光景を想像しています。
なのでここで語る内容も、そんな気持ちで書いています。
ただ、今だけ少し目線を上げてみてください。
古事記に書かれている物語はすべて太安万侶さんの筆から作り上げられたものです。(稗田阿礼などとともに当時の伝承を参考にしていると思いますが)
それでは、この安万侶さんはなぜ、子のオシホミミではなく孫のニニギが降臨する話を書き残したのでしょうか?
二つの面白そうな説があります。
明日はそれを語ろうと思います。
よろしければお付き合いください!



あ!6日の18時台と本日の0時台(嬉しい2連パチ!)に拍手を下さった方ありがとうございます!!!
改装お疲れ様拍手でしょうか?
嬉しいです!
少しでも軽くて見やすいページ作りを心がけています。
ご要望などございましたらぜひお気軽にお知らせくださいね。
拍手ありがとうございました!!!

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日向神話~前置き(出雲国譲り)~

A.ランゲ&ゾーネ ブティック 伊勢丹新宿店が 3月27日(水)にリニューアルオープン

A.ランゲ&ゾーネ ブティック 伊勢丹新宿店は、2024年3月27日(水)にリニューアルオープンをします。新たなブティックは、A.ランゲ&ゾーネの伝統と近代的なデザインが上質に融合した、洗練された空間に生まれ変わり、より広いスペースで皆さまをお迎えいたします。精巧なクラフツマンシップと繊細なディティールが宿る、A.ランゲ&ゾーネ珠玉のタイムピースを新たな空間で、ゆっくりとお楽しみください。

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メゾンの最新コンセプトである “ラウンジスタイル”のインテリアは、厳選された素材と繊細な配色でデザインされており、ドイツ ザクセン地方で生まれたマニュファクチュールウォッチメゾン、A.ランゲ&ゾーネを象徴する伝統とドイツらしい精悍で卓越した技術を映し出します。

また、A.ランゲ&ゾーネの歴史を語るうえで欠かせない、ドイツより特別に取り寄せたメゾンにまつわる希少なアイテムを展示する、“エクスペリエンス ライブラリー”もぜひご覧ください。

リニューアルオープンを記念し、A.ランゲ&ゾーネ ブティック 伊勢丹新宿店では、スーパーコピー“ランゲ1・タイムゾーン(18Kピンクゴールド製)”と“リヒャルト・ランゲ・ジャンピングセコンド”のサンプルを特別に取り揃えております。


<A.ランゲ&ゾーネ>ランゲ1・タイムゾーン 8,602,000円

メゾンのアイコニックモデルと合わせて、実際にお試しいただけますと幸いです。3月27日(水)~4月10日(水)の期間に、下記リンクよりご予約の上ご来店いただいた方には、A.ランゲ&ゾーネオリジナルギフトをご用意しております。

この機会に、より上質な空間に生まれ変わったA.ランゲ&ゾーネ ブティック 伊勢丹新宿店で心ゆくまで時計選びをお楽しみください。
※ギフトの数には限りがございます。あらかじめご了承ください。


【ブティック概要】
A.ランゲ&ゾーネ ブティック 伊勢丹新宿店
160-0022 東京都新宿区新宿3-14-1
伊勢丹新宿店 本館5F
‎(0‎3)3352-1111(大代表)

ご予約リンクは こちら       



【お問い合わせ】
A.ランゲ&ゾーネ
TEL.0120-23-1845

ヤマタノヲロチ神話!最終回~その後の二人~

ヤマタノヲロチ神話最終回です!

故、ここを(もち)て、その(はや)須佐之男命(すさのをのみこと)(みや)造作(つく)るべき(ところ)を出雲国に求めき。(しか)くして、須賀(すが)といふ(ところ)(いた)()して、(のりたま)はく、
(あれ)、ここに来て、()()(こころ)すがすがし」
とのりたまひて、そこに宮を作りて(いま)しき。(かれ)、そこは今に須賀と()ふ。

スサノヲはヤマタノヲロチを退治した後、クシナダと住む新居の地を探し求めて出雲国中をめぐります。
ある時とても気分が清々しくなる場所を見つけました。
「ここは何て清々しい気持ちになるのだろう」
きっとクシナダも気に入ってくれたに違いありません。
宮を建てる場所に決めました。
そして、この地を須賀と命名したのです。
典型的な地名起源譚ですね。
しかも出雲国中をめぐりめぐった中で一番素晴らしい場所というのです。
地名起源譚の中にはあまりいい意味ではない由来が語られているものもあることを考えると、須賀という土地は古事記が書かれた当時とても大事な場所だったのでしょう。
スサノヲはこの場所にさっそく宮殿を建てます。

この大神(=スサノヲ)、初め須賀の宮を作りし時に、そこより(くも)()(のぼ)りき。(しか)くして、()(うた)を作りき。その歌に()はく、

()(くも)()つ 出雲八重垣(やへがき)
(つま)()みに 八重垣作る
その八重垣を

有名な歌ですね。
ここの語りでも何度か取り上げましたし、結構古い漫画ですが樹なつみさんの「八雲立つ」でも出雲の象徴的につかわれていたので、ご存知のお方も多いことでしょう。
この歌は古今和歌集では日本最古の三十一文字とも書かれています。
なお、私たちは通常短歌を読むときは5・75-77のように三句切れで読むことが多いのですが、古い歌ほど二句切れで読んだ方が意味が取りやすいものが多いです。
万葉集は特にそういう歌がたくさんあります。(三句切れのもありますが)
この歌も57-57・7のように読んでみてください。
「八雲立つ」が「出雲」という言葉を引き出します。
そして「妻」を籠める「八重垣」を作る。
そう、「八重垣」を作ったんだ!というような気分になりませんか?
出雲国中を探し回ってやっと見つけた一番いい場所に、つい最近めおとになったばかりの初々しい妻との新居の垣根を、垣根を立派に作ったのさぁ!というスサノヲのうっきうきの気持ちを想像しながら読むと、大変萌えます。(私は)
もちろん垣根だけが立派なはずはありません。
垣根が立派なら、宮殿もそれに見合う立派なもののはずです。
また、歌に「妻」を読み込んでいるのも、ニヤリとしてしまいます。
なんせこの間までは独り身だったスサノヲです。
「妻」と呼べる存在が初めて出来て、浮き立たないはずがない。(邪推)
周りに「妻」って言いふらしたくってたまらないんじゃないのか、とか考えてまたニヤニヤするわけです。
あの歌を読んだときのスサノヲは、「妻」の部分を心持強調して歌ったかもしれない・・・。

妄想激しくてスミマセン・・・。
勉強のテンションは妄想によって維持されています。(ぶっちゃけた)
ちなみにこの宮殿跡地は現在では「須我神社」という神社になったと伝えられています。
この宮殿は日本最初の宮殿だったので、須我神社は「日本初之宮」と呼ばれ、またこの時にスサノヲが詠んだ歌が日本初の和歌ということで、「和歌発祥の地」ともされています。

それでは、いよいよ最後になりました。
続きを見ましょう。

ここに、その足名椎神を()して、()らして言ひしく、
「汝は、()が宮の(おびと)()けむ」
といひき。また、名を()ほせて稲田宮主須賀之八耳(いなだみやぬしすがのやつみみ)神と(なづ)けき。

スサノヲはせっかく作った宮殿の首長に足名椎を指名しました。
どうしてスサノヲ本人が首長にならなかったのでしょうか?
理由は分かりません。
古事記には書かれていないのです。
スサノヲが足名椎に与えた名前の「八耳」の部分は「山津見(ヤマツミ)」の子だから「ヤツミミ」(似たような音の名)としたという説(西郷信綱)と、古来「耳」という名を持つ存在は神の声を聞く「耳」を持っていた人たち(シャーマン)だったという説(三浦佑之)の二つが大まかなところのようです。
でも名前はこの説である程度は納得できるとしても、やっぱりスサノヲが首長にならない理由は分かりません。
とりあえず、私が知っている説をあげておきます。
1.スサノヲは入り婿だったから、足名椎をたてて首長とした(古事記が書かれた当時は通い婚が一般的だった)
2.スサノヲは黄泉国を目指していたので、ここに留まるつもりがなかった
3.スサノヲはあくまでも出雲国の国造りの下準備をする役目であり、そこに君臨するのはアマテラスの意志に反することだったから
4.スサノヲを首長にすると、出雲の土地がその子孫である大国主の土地ということになってしまい、国譲りに支障をきたすから

始め二つは物語的な解釈、後の二つは古事記全体を見た解釈です。
正直どれも微妙な気がしています。
数学的にいうなら1.2.は十分条件的(理由としては弱い)で、3.4.は必要条件的(あくまでも結果論でしかない)という印象です。
必要十分条件としてはどれも欠陥がありそうです。
もしかしたら理由は複合的なものなのかもしれません。
もしくは、ここは考える必要もなく流せばいい箇所なのかもしれません。
あと、もう一つの説として
5.この神話を語り継いできたのは当時この須賀の土地に力を持っていた豪族で、彼らは自分たちをスサノヲの由来とすると高天原(=大和)と敵対してしまうことになるので、それを回避するために足名椎を由来に選んだ
というものもあります。
一番ありがちで、あるとしたらこれかなぁという気もするのですが、この説は古事記の記述を大きく逸脱した話になってしまうので、結論とすることは出来ません。
最後の最後でモヤッとさせてしまってスミマセン^^;
この後スサノヲはクシナダとの間に子ども「八嶋士奴美神(やしまじぬみのかみ)」をもうけます。
この神をあわせて六世後に生まれるのが、現在出雲大社に祭られている国つ神の最高神「大国主」です。

以上、これにてヤマタノヲロチ神話語り終了です!
楽しかった!
古事記はやっぱり楽しいな!
何か面白そうな説をみつけたらまた追加で語りたいと思います!
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!!

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