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因幡の兎さん

日曜日は鳥取県立博物館で因幡の兎さんについてのお話を聞いてきました。
前にも出雲で聞いた話を書きましたが、昨日のはさすが伝承の現地!ってくらい熱の入った兎トークで私も大変興奮しました!

古事記には「素兎」と書いてあるそうですが、これは色は白じゃないっていうのは前にも書きましたが、今回は更に突っ込んで、読み方も「しろうさぎ」じゃない!っていうお話を聞きました。
学芸員の方は「すうさぎ」と読んでいらっしゃいました。
「素兎」の意味はよく分からないのですが、たぶん「素=もと」ということで、赤裸だった状態から元に戻った状態の兎のことではないかということでした。
なるほど!確かにそうかも!
あと、古事記では色が白の場合は、殆ど「白」という漢字を使っているそうなので、恐らく色が白い兎という意味ではないだろうとのご説明でした。
なるほど!それは分かりやすい説明!
確かに「白髪皇子」とか「白鳥」とか「白猪」とか他にも色々白い色の場合はちゃんと「白」って使ってますもんね!
ますますそんな気がする!
因みに、奈良時代当時の日本に白い色の兎はいなかったというのは前回も書いたわけですが、神話は空想上のお話なので、実際にいなくても特別さの演出のために使う可能性はあるので(※白い生き物は神の使いという信仰があった)、それだけでは素兎が白い色ではないとはいえないとのことです。
おおおお!!それはそうだ!確かに!
さらに、この兎神が予言したとおり、大国主(大穴牟遅・おおなむち)は八上比売(やかみひめ)と結婚するわけですが、この八上比売の初登場の部分で、通常であれば「~(豪族名もしくは父親名)の娘の八上比売」とされるべきところを(別の姫の登場部分は大抵そうなっている)、何の説明もなくただ「八上比売」と突然出てくるので、もしかしたらこの「八上比売」自身が当時の因幡の豪族の族長的存在(=卑弥呼みたいな感じ)だったかもしれないっていうお話を聞いてかなりびっくりしました!(あまり断言はされませんでした。もしかしたらくらいの話でした)
おおおおおおおお!!!!!これは新見解!(私は)
確かに八上比売は自分できっぱり「吾は汝等の言は聞かじ。大穴牟遅神に嫁がむ」って言ってますからね!(※ここで言っている「汝等(いましたち)」とは大国主の兄たちである八十神のことです)
格好いいなぁ!八上比売!これで族長とか!もうついていきます!って感じですな!
後に八上比売は出雲へ行って大国主との子を置いて因幡へ引き返してしまうわけですが、これも族長であったのなら自分の領地を空けるわけにはいかなかったから、と説明しても辻褄は合いますね。(ご都合主義全開)

雄々しい八上比売の妄想は大変楽しかったです!
まぁ、可能性としてはあまり高くは無いかもしれないですがね・・・。
他にも和邇(わに)は本当にサメのことなのか、とか、素兎神話に類似する海外の神話伝承などとの比較など、大変面白かったです!
次回は二週間後の4月24日なので、絶対参加しなくてはですね!

古代史も神話も凄く楽しいなぁ!

出雲に行ってきました

今日(もう昨日ですが)出雲に行ってきました。
毎月恒例出雲の荒神谷遺跡博物館での古事記談義の講義ですよ!
今回でついに「大国主」の名前が出てきました!
古事記ではスサノヲの六世の孫ということになっています。
そして彼が初めて活躍するのが有名な「因幡の素菟」伝説ですね!ウサギ!ウサギ!今年の干支ですね!
大国主の兄たちがウサギを見つけたときに、理由も問わずに「おまえ、塩水で洗って風に吹かれてろよ」的なことを言ってウサギはさらにひどい状態になってしまい、後に通りかかった大国主に「おまえ、どうしてそんなことになっているんだ」「真水で洗って、蒲の穂を敷き詰めた上に寝転んで癒しなさい」と言われて見事完治した、という部分。
兄たちは理由も聞かずに、処置も適当だったのに対して、大国主(ここではオホナムヂという名前ですが)はまず理由を問いただしてから、正しい処置をした(=大国主が医療の神様という側面もあるのはここから)という見事な対照性が古事記の仕掛けですね!
また、山田永先生著『「作品」として読む古事記講義』では、兄たちはウサギにわざと間違った処置をした(=意地悪をした)わけではなく、正しい処置を知らなかった(=ちょっとした怪我なら塩水で洗えば消毒になる)だけだとの指摘もあって、なるほどね!と思ったこともありました。
今回の講義では、「知識がなかったのか、悪意的に行ったのかは両方の解釈がある」とのことだったので、さすが藤岡先生は見識が広い御方ですね!と感服いたしました。
大抵いつもこの部分は兄たちの意地悪でやったとだけ説明されるので。
いろんな解釈があって面白いですね!
この後感謝されたウサギに「君は今袋を背負っているけど(=兄たちの荷物もちだけど)、八上比売(やかみひめ)は君を選ぶよ!」と託宣を受けて見事兄たちを押しのけて美女ゲットのコースを進む大国主は皆様ご存知の通りです。
因みにここで袋を背負っていることや、大国が音読みだとダイコクになることから、七福神の大黒様と混同されているというのは結構有名な話。(神仏習合の時代で特にそのイメージが強くなっていったようです)
このお陰で大国主は食物・財福の神様という側面も増えます。(どんどん増える大国主のスキルw)
で。
この後逆上した兄たちに迫害されては華麗に復活を遂げる大国主様ですが、意外な話が一つ分かりました。
大国主の復活をカムムスヒノ神にお願いにいったのは母親の刺国若比売(さしくにわかひめ)ですが、なんと出雲国にはこの刺国若比売を主祭神として祭る神社は存在しないとのことでした!
キリスト教では聖母マリアの位置にある刺国若比売をどうして大国主のお膝元である出雲で祭らないのか。
大変興味深い話ですね!


かなり端折って書いてしまいましたが、今日の講義は大体こんな感じでした。
因みに帰りについでに本屋に寄って伊藤先生の本を物色してみようと思ったらなんと凄い本を見つけてしまいました!!!
えーーーーーーー!!!!!!!
な、な、な、なんとここで何度も書いている私の最愛の考古学者の森浩一先生が「萬葉集に歴史を読む (ちくま学芸文庫) 」なんてタイトルの本を新刊でお出しになっていらっしゃるではないですかああああああ!!!!!
ちょ!森先生が万葉集だって!何てタイムリー!待って!知らなかった!アマゾンちょっとちゃんと私に薦めといてよ!って思って確認したら割と何ページか後のほうにこっそり薦められてました。
いつの間に!(ニューリリース情報もチェックしてるのに!)
で、買 い ま し た 。






・・・・・orz(無言で手をつく)




だ、だって!(だってじゃない)
森先生だし!(森先生は超大御所&人気の先生なので例え一年後でも問題なく手に入ると思われます)
文庫だったから安くて手軽だったし!(同じような本を何冊未読で持っていることか)
あぁ・・・私、何してるんだろう・・・。
因みにこういう万葉集を文学としてではなく、それを使って歴史を読み解く的な本は結構出ていて私も一冊持ってますが、実はちょっと苦手でした。
万葉集はやはり文学として鑑賞するのが楽しくて、伊藤先生と出会ってからは特にその気持ちが強くなっていたのでさらに苦手意識が増大するという。
というのも、万葉集には色々な思いが込められていて、それを史実の確認のために使うというのは何となく抵抗を覚えてきていたのです。
しかし!
森先生ですから!
森先生は他の人とは違うんです!
考古学者なのに文献史学を始めその他の分野にも大変造詣が深い方なのです!
森先生なら間違いない!
というか、森先生のお書きになる内容なら、他の人が書くと無味乾燥な事実になってしまうことさえロマンが溢れていることはもはや確実なんです!
うわああああ!!楽しみすぎる!
ありがとうございます森先生!このタイミングで万葉集関連の本をお書きいただけるなるなんて運命としか思えませんでした!
やったああああああああ!!!!


あ、ちゃんと、図書館の本を優先して読みます。


ちょっと私信
さわ様
その解釈で間違い無いです!w
ウチは伊藤先生の解釈に則っ(たふりをし)て進んでいきます。よろしくお願いします。(何を)
ぴょんぴょん跳ねてる鈴さん超かわいい!!
そして見られてることに気付いて笑顔で阿高に手を振る鈴さん超萌える!!食べてしまいた(自重)
ご馳走様でした!

櫻さま
その説は大変申し訳ございませんでした!&こんな奴ですがこれからも何卒よろしくお願いします(土下座)
そそそ苑上皇女様かわいいいいいい!!!
こっそり待ち受けにしちゃいたいくらいかわいいいいい!!!(←一歩手前でなんとか堪えました)
これからも更新楽しみにしております!

建国記念日

今日建国記念日だった・・・!
何ということだ!忘れてた!
古代史ファンにあるまじき失態!!!ああああああ!!!(愕然)

ということで、建国記念日なので初代天皇である「神武天皇(神倭伊波礼琵古命)@東征」について語ってみたいと思います。
とはいいつつも、古事記は上巻メインで読んでいるので、中巻に関してはあまり語れるネタがありません。(ェ)
物凄く無味乾燥な語りになると思いますがご容赦の程を。

神武天皇といえば中巻の初っ端を飾る天皇ですね!
上巻で国譲りを受けた天津神の直系の子孫。
何故か譲った本人がいる出雲ではなく遠くの高千穂(九州)に降り立った邇々芸(天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命)から数えて4代目のお方です。
邇々芸はアマテラスの孫、父はスサノヲとの誓約の場面で生まれた忍穂耳(正勝吾勝勝速日天忍穂耳命)です。

アマテラス

忍穂耳
↓←ココで高天原から天下る
邇々芸(ににぎ)
-火遠里(ほおり=山幸彦)
--鵜茅不合葺(うがやふきあえず)
---神倭伊波礼琵古命(=神武天皇)

という構成です。
余談ですが、()内に書いている長ったらしい名前が本名になります。
これを何も見ずにさらりと読めたそこのあなた!
あなたは最早後戻りできない古代史(日本神話)ファンです。
私はもちろん読めます。暗唱できます。パソコンに辞書登録してます(←何やってんの)。
神倭伊波礼琵古命=かむやまといわれびこのみこと
正勝吾勝勝速日天忍穂耳命
=まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと
天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命
=あめにぎしくににぎしあまつひたかひこほのににぎのみこと
読めなかったあなたは、折角なのでここで練習してみましょう。
暗唱できるようになったら友達や先生、家族や同僚に誇らしげに言ってやりましょう。
私は言いました。
相手の表情固まりました。
に、二度と言うもんか!
あ、因みに前に書いた出雲古事記講義で「折角なので古事記の始めのところくらいは暗唱できるようにしましょう。良い文章は暗唱することでさらにそのよさを実感することが出来るものです。それにガイドなんかする時に喜ばれますよ」と言われたので練習しました。(ガイドではないですが)
暗唱、出来ます。といっても本当に初めの部分だけですが・・・。
天地開闢(てんちかいびゃく)~神世七代(かみよななよ)までです。
この続きは練習中です。
てかこの部分神様の名前ばっかりで(しかもやたらとややこしい名前ばっかりで)気が狂うかと思った!!
ざっと挙げると
アメノミナカヌシノカミ
タカミムスヒノカミ
カムムスヒノカミ
ウマシアシカビヒコヂノカミ
アメノトコタチノカミ
※ここまでが別天津神(ことあまつかみ=特別な神様)※
クニノトコタチノカミ
トヨクモノノカミ
ウヒヂニノカミとスヒヂニノカミ(男女一対の神)
ツノグイノカミとイクグイノカミ(同上)
オオトノヂノカミとオオトノベノカミ(同上)
オモダルノカミとアヤカシコネノカミ(同上)
イザナキノカミとイザナミノカミ(同上)
※ここまでが神世七代※
という17柱(柱=神様を数える助数詞。神様は一人とは言わず、一柱と数えるのです)もあるんですよ!!
覚えるの絶対無理だと思った・・・しかし萌は偉大でした。
今では言えます。

っていうか、話が脱線しすぎた!!!
神武東征について語るはずなのに、何で天地開闢の神様の名前挙げてるんだよおかしいよ兼倉!

戻します。(強引に)
で、曽祖父以来ずっと九州にいた天津神一族のお方々ですが、神倭伊波礼琵古命(神武天皇)が急に思い立って東に進む(最終的に大和に至る)ことにします。
その東征の途中数々の苦難にあいます。
その際出てくる最強の敵は長髄彦(ながすねびこ)。
彼は神倭伊波礼琵古命より先に大和に天下っていた天孫、ニギハヤヒに忠誠を誓っていました。
これを古事記で読んでて、ちょwww降臨した天孫って邇々芸だけじゃねーのかよwwwってなります。
ついでに神倭伊波礼琵古命は邇々芸のひ孫なのにニギハヤヒは神倭伊波礼琵古命が大和にやってきた時まだご存命どころかぴんぴんしていらっしゃいました。(そして長髄彦の妹を嫁に貰っている)
このあたりの時間経過は「神話だから!」の合言葉で乗り切ってください。
で、この長髄彦ですが、もう本当に泣かせてくれるんですよ!
私古事記の英雄のトップは「ヤマトタケル」だと思ってますが、二番は絶対「長髄彦」です。これは譲れません。(何か言い出した)
長髄彦もヤマトタケルとタメを張るくらい悲劇の人だと思うのですが!
だって神倭伊波礼琵古命の軍勢に一度も負けて無いのに(最初からずっと圧勝してて、最後だけ圧され気味にはなったけど負けなかった)、ニギハヤヒのほうが降伏を選択して、ニギハヤヒ自身に殺されてしまうんですよ!
ニギハヤヒのために頑張ったのに!
一説には東北に逃げ延びたとか、子孫が織田信長だとか言われてますが、それにしたって命を懸けて仕えた人にこの仕打ちをされるのはもう悲劇としか言い様が無いです。
おおお・・・長髄彦よ・・・(泣)
誰か彼を主人公にして小説か漫画でも書いてくれないものか・・・。(戯言)
因みに三本足のカラスとして有名な熊野の八咫烏(やたがらす)もこの神武東征で出てきますが、古事記の中には八咫烏が三本足という記述はなく(日本書紀にもありません)、この設定は後世の後付だろうという説があって、私も多分そうだろうなぁと思っています。
余談ですが私の携帯には今熊野大社で購入した八咫烏ストラップがついていて、勝手に「鳥彦」と名付けています。
オギワラーとしては正しい行動ですね。(キリッ)
熊野大社はもちろん三社とも回ったのですが、道が中々スリリングでドキドキしました。
でもまた行きたいです!

神武東征で語れるのはこのくらいです。
半分以上妄想と勢いだけの感想でスミマセン・・・。
古事記の中・下巻も何とかやりこみたいと思っているのですが中々思うようにはかどりません・・・。
い、いつか必ず!

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