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【国譲り神話】第二回:二人目の使者アメノワカヒコ

本日2連パチをくださった方ありがとうございます!!
ノリに乗って続きです!

<前回のあらすじ>
前回アマテラスは葦原中国を息子のオシホミミに治めさせるため、アメノホヒ(出雲国造の祖神)を派遣しましたが、アメノホヒは大国主神の側に寝返ってしまいました。
そうとは知らないアマテラス、三年待ってもアメノホヒから連絡は来ず、業を煮やして次の使者を送ることにします。

思金神が答へて白ししく、

(略)(あめの)(わか)日子(ひこ)を遣すべし」

とまをしき。故爾くして、天のまかこ弓・天のはは矢を以て天若日子に賜ひて、遣しき。

オモヒカネ「次の使者は、アメノワカヒコを遣わすとよろしいかと」
アマテラス「今度は念のために弓と矢もあげるわ。絶対葦原中国を言向けていらっしゃい」

第二の使者アメノワカヒコには、なんと武器が与えられました!
一度目の失敗で、平和的な話し合いは早々に諦めたようです。
念入りに武装した第二の使者、アメノワカヒコは今度こそ活躍してくれるはず!
次の行を見てみましょう。

天若日子、その国に(くだ)りいたりて、(すなは)大国主(おほくにぬし)神の(むすめ)下照(したでる)比売(ひめ)(めと)、また、その国を獲むと(おもひはか)て、()(とせ)にいたるまで(かへりこと)(まを)さず。

もっと駄目な使者だった。
アメノワカヒコはなんとアメノホヒを上回る不適格な使者ではないですか!(驚愕)
いきなり大国主神の娘と結婚した挙句に、自分が国を支配しようとしているってどういうことですか!?
天の岩屋戸の時は素晴らしい知恵を見せてくれたオモヒカネですが、今度は全く振るわないようです。

アマテラス「ねえ、八年経ったけど、アメノワカヒコから全然連絡ないわよ。どうしてかしら?」

ここに、諸の神と思金神と、答へて(まを)さく、

(きぎし)、名は(なき)()を遣すべし」

オモヒカネ「恐れながら、ここは一度キジの鳴女に様子を窺わせては」
アマテラス鳴女ちゃん、アメノワカヒコに『どうして八年も連絡ないの?』って聞いてきてちょうだい」

次回、キジの鳴女が見た真実とは・・・!?

【国譲り神話】第一回:葦原中国は、私の子が治めます@アマテラス

※頂いたコメントへのお返事はひとつ前の記事にあります※


さあ、【国譲り神話】はじまります。

日本の国土は通称「葦原中国(あしはらのなかつくに)」と呼ばれ、出雲国の大国主神を代表として国つ神によって治められていました。(実は諸説あるので言い切ってしまうと本当はまずいのですが、今回はお許しください)
大国主神は、この出雲国でオロチを退治したスサノヲの六代後の子孫です。

ある時、高天原に住まうアマテラスが言いました。

天照大御神の(みこと)(もち)て、

豊葦原千秋長五百秋水穂国(とよあしはらのちあきのながいほあきのみずほのくに)は、()御子(みこ)正勝吾勝々速日天忍穂耳命(まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと)の知らさむ国ぞ」

と、(こと)()(たま)ひて、天降(あまくだ)しき。

アマテラス
「葦原中国は私の息子のオシホミミが治めるべき国よ」


いきなりものすごく長い名前が出てきましたね。
私訳の方では「葦原中国」と略してしまいましたが、実は、この長い名前は重要なんです。
ここまで、葦原中国は基本的に葦原中国と呼ばれていました。
ところが、ここでいきなりアマテラスが長々しい名前で呼ぶのです。
この長い名前「豊葦原千秋長五百秋水穂国」は、「豊かな大地である葦原中国の永久不変に瑞々しい稲穂の国」という意味です。
アマテラスは、この長い名前で葦原中国を褒めているんですね。
古事記が書かれた時代は、自分の治める国を良い言葉で予祝(よしゅく)するということが、統治者の大事な仕事の一つでした。
万葉集にも国や地名を褒める歌がたくさん残されています。
「言霊(ことだま)」といえばわかり易いでしょうか。

アマテラスが葦原中国を予祝する=葦原中国が自分の領分であることを主張している

ということです!

ここで、葦原中国は大国主神が治めているのに、アマテラスが横取りするのか!?と、思った方はいらっしゃいますか?
アマテラスが天の岩屋戸に隠れて光がささなくなったとき、高天原と一緒に葦原中国も光がなくなっていたことからも、古事記的には葦原中国はアマテラスの領分である「高天原」と同じ世界に属しているんです。
だから、アマテラスが息子のオシホミミに統治させようとします。
しかし、ここでちょっとした問題が起こります。

(ここ)に、天忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)(あめ)浮橋(うきはし)にたたして、(のりたま)はく、

「豊葦原千秋長五百秋水穂国は、いたくさやぎて有りなり」

と、()らして、更に(高天原に)(かへ)(のぼ)りて、天照大神に(まを)しき。

オシホミミ
「ちょっと母さん、葦原中国って今かなりヤバいよ。俺にはムリ(きっぱり)」


何ということでしょう。
オシホミミはたいそうな名前を持っている割に、かなり腰抜けのようです。(※正勝吾勝々速日=正に勝った、吾が勝った、日が昇るごとく素早く勝った)
このオシホミミはアマテラスとスサノヲが「うけひ」をした時に生まれたアマテラスの五柱の息子の内の一柱です。
それゆえ、このたいそうな名前はスサノヲの勝どきの言葉を表しているという説が有力なようです。
この時の調子に乗った(?)スサノヲの勝どきの行為がアマテラスを天の岩屋戸に引きこもらせる原因にもなりましたね。

さあ、困ったアマテラス。
折角息子に統治させようとしたのに、当の息子に拒否されたのでは話になりません。
八百万(やおよろず)の神様たちを集めてみんなで相談することにしました。
ここで、アマテラスが天の岩屋戸にこもった時にナイスアイデアを披露した「思金神(おもひかねのかみ)」といういかにも思慮深そうな名前の神様が再びアイデアを出します。

天菩比神(あめのほひのかみ)、これ(つかは)すべし」

オモヒカネ「私が思いますに、まず兄君のアメノホヒ様をお遣わしになってはいかがかと」

来たああーー!!!
今回の語りの超重要任務が出雲大社宮司の祖神の古事記の中での活躍を書くことでした。
出てきましたよ!
この天菩比神(あめのほひのかみ)という神様が、そのお方です!!
アメノホヒは、オシホミミと同様アマテラスとスサノヲの「うけひ」によって生まれた五柱の内の一柱です。
つまり、出雲大社の宮司は古事記的にはもともとアマテラスの子孫の家系ということです。
初めて知る人にはかなり驚きの事実ですよね!
大国主神の子孫じゃないんですよ!

さあ!出雲への第一の使者に任命されたアメノホヒさん!
いったいどんな大活躍を見せてくれるんだい!?

(かれ)、天菩比神を(つかは)せば、(すなは)大国主(おほくにぬし)神に()びつきて、()(とせ)に至るまで(かへりこと)(まを)さず。

アメノホヒ ハ オオクニヌシ ノ ナカマ ニ ナッタ!(てろり~ん♪

てろり~ん♪じゃないよね。
いったいどういうことなんですかアメノホヒさん。
大国主神に取り入って隙を作ろうとしている高度な作戦って言いたいんですか?
駄目ですよ、さすがに三年音信不通じゃ信憑性ありませんよ。
もうこれ、あれですよね。
完全に裏切ったわけですよね。
な、な、な、なんてこった!
きっと何か止むに止まれぬ事情があったと信じたいですが、古事記にはそんなフォローは一文字も書かれていません。
派遣された次の文章でソッコー裏切ってます。
実は古事記ではなく出雲大社宮司に伝わる「出雲国造神賀詞」の中では、きちんと報告したり国つ神を平定したりしてるんですけどね。
とりあえず、この「止むに止まれぬ事情」を大いに妄想するのは非常に楽しいことではないのかと私は一人ニヤニヤしています。
最終的に国を譲って隠居した大国主神に、アメノホヒはその後子々孫々に至るまでずっと仕え続けているわけですから、これは絶対に何かあってもらいたいと思うのです。


さて、高天原のアマテラスはせっかく使者として派遣したアメノホヒが全然報告をしてくれないので業を煮やして次の手に出ます。
続きは次の記事で!

【国譲り神話】前置き

語りの前にお返事から!

りんこさん

>わたしの知らない間にそんなことがあったのですね。

うわあああありんこさんでよかったああああ!!
拍手更新で数字が増えていたら今まではすごく嬉しい気持ちだったのに、今回はりんこさんのコメントだと確認するまではものすごくビビりまくりでした!
スパムめ!もう!もう!(怨恨)
普段1~10パチあるかないかなのに、数日で100~200パチくらいきて、意味不明の押し売りをされるたびに私はすごくギリリィッってなってました。
スパムのログを一気に全部捨てられたら気楽ですが、その中に善良なお方の貴重なパチやコメントがあるかもと思って細心の注意を払っての振り分け作業は気が振れそうでした。

>ちょうど一時停止の間は訪問していなかったみたいで。おかしい、しょっちゅうチェックにきてるのに、そして、こっそり拍手を押したり押さなかったり、気分次第で…

数日で完全に懲りたので、昨日は記事を更新してから明け方まで必死に対策を勉強したり試行錯誤したりしていました。
時間にしたらたぶん賞味6時間くらいの停止だったと思います。
ご不便をおかけせずに済んだようで良かったです。

>くらえ、スパム全チェック!!!!! ふぉぉぉ~~~~

こんなスパムならいつでも大歓迎ですうおおおおお!!!

>出雲神話楽しみにしています

ありがとうございます!
今日からまたまったり更新していきますので、何か感じるものがありましたらコメントやパチなどぜひよろしくお願いします!
連パチをくださったお方もありがとうございます!!
スパムに絶望していた私には何よりの救いでした!!
山のようなスパム処理に疲れて思考回路が絶望一色に染まっていき、ぼんやりと「このブログを見ているのはスパムだけってことだね…」とかやさぐれていましたが、一気に持ち直しました。
今のところ対策は功を奏しているようなので一安心です。


それでは、久しぶりになりますが、古事記のお話をつらつら書きたいと思います。

まずは、先日ご婚約が内定された千家(せんげ)国麿さんと高円宮典子さまには改めて心よりの祝福を申し上げます。

すごい組み合わせですよね!
出雲大社の宮司に皇族のお姫様が嫁ぐ日が来ようとは!びっくりしました。
千家一族の方々は出雲ではまるで現人神のようにあがめられているらしいと聞いたことはありますが、外部の人間の私にはちょっとよく分かりません。
しかし、千家一族の祖とされている神様の神話なら、ちょっとは知っている!
というわけで、素晴らしき慶事に便乗して、久しぶりに古事記語りをやってみようと思い立ちました。
千家一族の祖神が活躍するのは出雲神話の中でも特に「国譲り神話」と呼ばれている神話です。

国譲り神話に関しては、以前ちょっとだけ書いたことがありましたが(日向神話~前置き)、長大な出雲神話の最後を飾る神話です。

そもそも出雲神話は大体次のような流れになっています。

<出雲神話のおおまかな流れ>
・スサノヲの活躍
・オホナムチの成長
・オホナムチが大国主となって国造り
・出雲国譲り


いろいろと見どころ満載の出雲神話なのですが、みなさまはどの神話がお好きでしょうか。
やはり一番人気はスサノヲのヤマタノヲロチ退治の神話ですかね!
石見神楽の花形演目でもありますしね!
私も大好きです!フォウ!
また、「オホナムチの成長」の一番始めの「因幡の白うさぎ神話」は童謡にもなってるくらいですし、出雲神話の中では結構広く知られているような気がします。

ところで、覚えておられるでしょうか。

私が古事記のお話をするときに何度か繰り返していたことがありました。
古事記の本当の主役は誰なのか。
古事記が本当に言いたいことはどんなことなのか。


古事記の主役、それは
 天照大御神(とその子孫)です!

古事記が本当に言いたいことは
 葦原中つ国を皇族(天照大御神の子孫)が支配することの正当性です!

と、いうことは、ですよ。
スサノヲが格好良くヤマタノヲロチを退治したり、惨めな兎が優しく賢いオホナムチに救われたりする神話は、古事記にとっては主張したい話題ではないのです。

古事記が出雲神話で言いたいことは何なのか。
もうお分かりですね。
古事記にとって、この【国譲り神話】は、大国主が天つ神に国を譲ることに同意するいきさつが述べられている、出雲神話の中で最も重要な神話です!!
古事記は大事なことはとても長く丁寧に語ります。
逆に重要ではない大国主と少彦名の国造りは短く語ります。(まさかの2行で終了

というわけで、そんな長い長い国譲り神話ですが、せっかくの機会なので、ちょっと腰を据えて丁寧に見てみたいと思っています。
次の記事から本編に入ります。

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Re:当サイトは11歳になりました
2021/12/09 20:35 兼倉(管理人)
Re:当サイトは11歳になりました
2021/11/27 12:01 りえ
Re:お返事です!
2021/05/09 13:07 兼倉(管理人)
Re:お返事です!
2021/05/03 11:50 mikayasi
Re:お返事です!
2021/05/03 11:19 兼倉(管理人)