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日向神話~天孫降臨~(その三)【画像あり】

それでは続きです!
先導してくれる神様もきてくれたので、これでいよいよ天降る・・・と、その前に。
アマテラスから孫への餞別があります。
何だと思いますか?

(アマテラスは)(ここ)に、そのをしき八尺(やさか)の勾玉・鏡と(スサノヲが献上した)(くさ)()(ぎの)(つるぎ)(略)を()(たま)ひて(のりたま)ひしく、

「此の鏡は、(もは)()御魂(みたま)()て、()(まへ)(をろが)むがごとく、いつき(まつ)れ」

アマテラスがニニギに与えたのは

・八尺の勾玉八尺瓊(やさかに)勾玉)(アマテラスが生まれたばかりの時にイザナキから与えられた)
・草那芸剣(ヲロチの尾から出てきた)
・鏡八咫鏡(やたのかがみ))(天の石屋戸神話でアマテラスの姿を映した)

の三つです。
これはすなわち・・・そうです!三種の神器です!
うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!
天孫降臨神話の中でも大変盛り上がってしまうシーンです!!
あの、三種の神器が渡されたのはここだったのかああああああ!!!
現在「八尺の勾玉」は皇居に、「草那芸剣」は熱田神宮に、「八咫鏡」は伊勢神宮に安置されているといわれています。
これですよ!神話!
少し前にも書きましたが、もう一度書きます。
「神話」と「昔話(御伽噺)」の違いは、「神話」は今に繋がっている(今を保証している)というところです。
「昔話(御伽噺)」は話そのもので完結です。
だから話の始まりが「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが・・・」でよいのです。
しかし「神話」は今に繋がっていないといけません。
だから「いつの時代」「どこで」「誰が」「現在(話が書かれた当時)はそれがどうなっているのか」がはっきりと書かれているんです。
また、上では省略しましたが、アマテラスは三種の神器のほかにもアメノウズメを含むお供の神様をたくさんニニギに与えました。
そのほとんどの神様が古事記が書かれた当時の大豪族や勢力を持っていた職業集団の祖神となっています。(これも神話が今を保証する機能の例ですね)

なお、参考までに記載いたしますが、古事記には「三種の神器」という言葉はありません。
それどころか、この勾玉・剣・鏡がその後の天皇の即位時に継承されたという記述もないのです。
よって最近の学説では「古事記は三種の神器を王権の象徴としては語っていない」という立場が主流となっているようです。
でもだからって盛り上がっちゃいけないってわけじゃないですからね!
「三種の神器」うおおおおおお!!ってなるのは自由ですから!(自分がなりたいだけ)

さて、準備万端整いました。
いよいよニニギが天降ります。

故爾(かれしか)くして、(あま)津日子番能邇々芸(つひこほのににぎ)命に(アマテラスは「天降れ」と)(のりたま)ひて、(ニニギは)(あめ)石位(いはくら)を離れ、(あめ)八重(やへ)のたな(ぐも)を押し分けて、いつのちわきちわきて、天の浮橋(うきはし)に、うきまじり、そりたたして、竺紫(つくし)日向(ひむか)(たか)千穂(ちほ)久士布流多気(くじふるたけ)天降(あまくだ)()しき。

ついに天降りました!!!
というわけで、ここをお読みのお方々はご存知のことと思いますが、去る3月16日に行ってきました!南九州宮崎県は高千穂町!!高千穂神社!!!
↓↓証拠写真↓↓(クリックすると少しだけ大きくなります)
①高千穂神社の鳥居
ファイル 818-1.jpg
うわあああ!!!遂に来てしまった高千穂神社!!!!
鳥居大きいです!うおおおおお!!!!!

②拝殿
ファイル 818-2.jpg
周囲の木の立派なこと!
まるで偉大な自然に守られているかのようにして高千穂神社はありました。
雨の中で凄く緑の匂いが濃く漂っていました。

③本殿
ファイル 818-3.jpg
拝殿の奥にある本殿です。
大変凛々しい趣きです。

結構雨が激しく降っていたのですが、参拝客は凄くたくさんいらっしゃいました。
流石は高千穂神社!
宮司さんや巫女さんもとても丁寧に対応してくださいました。
分らないことを聞いたら、とても優しく教えてくださり、その上いくつもの貴重な資料をくださいました。
宮崎の人はなんて優しいんだ!!ありがとうございました!!

④国見ケ丘からの眺め
ファイル 818-4.jpg
ここは実はニニギの伝承と直接結びつく場所ではないのですが、雰囲気満点だったのでついつい心の中で天孫降臨ごっこです。
物凄い霧ですが、古代において雲や霧などのもやもやしたものには霊力が宿るとされていましたから、ニニギが天降ったときもきっとこんな光景が広がっていたのではないかと思います!
・・・とかやってたら

⑤ニニギの像
ファイル 818-5.jpg
ニニギの像があった!!
説明文を読んでみると、どうやら日向国風土記逸文から着想を得て記念の像をつくったようです。
やっぱり私と同じこと考える人もいるんだ!
でも気持ちは分りますよ!だって本当に凄く凄く雰囲気有りましたから!
ちなみに雨が降ってなかったらここから見える光景はそれはそれは素晴らしかったと思います。
名前のとおり、国中が見渡せるのではないかと思えるくらい見晴らしのいい場所だったに違いありません。
天孫降臨ごっこにはうってつけの光景でしたが、やっぱり晴れたときにも見てみたいと思いました。

今回は読み解きよりも私の九州旅行回想録みたいになってしまいました。
たまには肩の力を抜いてボケっと写真でも眺めてみてやってください。

今回はここまでです。
次はニニギの婚姻譚を語ろうと思います。
・・・実を言うと、今日の話の直後にサルタビコが海で溺れる話なんかも挟まっているんですが、ちょっと解釈がややこしい上にその後の展開には大きく影響しないので飛ばします(語れる情報を仕入れられたら後で語るかもしれません)。

<次回予告>
赤ん坊で降臨したニニギでしたが、それから時が経ち、恋の出来るくらいの年頃に成長したもようです。
成長したニニギは、ある日美しい娘に出会います。
ニニギは思わず名を問いました。
皆様ご存知ですね!
古代において名を問うことの意味。
そしてそれに応えて名を告げることの意味。

【追記】
飛ばすつもりが結局語ってしまいました!
行き当たりばったりでスミマセン!
でも楽しかったです・・・!(楽しければ何でもいいと思っているのか兼倉)

それでは次回へ!

お返事です・その193&たくさんありがとうございます!

日曜日は広島に行ってきましたが、疲れてそのまま寝てしまいました。
お返事が遅れてしまってスミマセン。
ホントに凄く嬉しいです!
ありがとうございます!

みんさま

ようこそお越しくださいましたみんさま!!
お待ちしておりました!!
お茶をどうぞ・・・つ[そば茶]<水筒からそば茶の匂いが取れなくなってきました・・・。洗剤を検討しています。

>実はこの3月で大学を卒業し、4月から新社会人でしてその準備にバタバタしておりました。

ご卒業&新社会人おめでとうございます!!
新しい生活に期待と不安が入り混じっている時期ですね・・・!
懐かしいです。
あの頃の初々しさを私はいつの間になくしてしまったんでしょうか(聞くな)

>兼倉さんはお仕事をしながらたくさんの趣味をお持ちで充実した生活を送られているようで、素晴らしいなあ〜と思っています。兼倉さんのように趣味とお仕事を両立したキラキラした生活を目指します!
>またお邪魔しますね^^


社会人は慣れるまでは大変かもしれませんが(始めの一年とそこからの二年はそれぞれ別の意味で死ぬ気で駆け抜けた気がします)、慣れてしまうと学生時代とは比べ物にならない力(お金とか経験とか人脈とか)が手に入るのでますます楽しく人生を送れると思います!!
キラキラというよりギラギラしてる感じです!
私はたぶん手本にしちゃいけない種類の社会人ですが、体力のあるうちにいろいろやっておいたほうがいいということだけは切実におもいます。
みんさまはぜひ充実した社会人生活を送ってください!

コメントありがとうございました!!
みんさまのまたのお越しを心よりお待ちしております!!
ぴっころさま
ようこそお越しくださいましたぴっころさま!!
お待ちしておりました!!
ささ、飲み物でもどうぞ・・・つ[氷結]<Perfumeライブ記念に今日は氷結を買ってきて飲んでます。梅酒味が好きです。

>日向神話すごいですね!
>複数の先生の考えを紹介されているのがいいですね!


神話の語りまでお読みいただけたとは!
ありがとうございます!(感涙)
神話の語りは私の勉強の記録みたいなところもあります。
勾玉三部作により日本神話の面白さに気付いて現在こつこつと勉強中です。
何かひっかかるところなどありましたらツッコミを入れてやってくださいね。
また、複数の引用は私自身が偏ることを警戒しているためです。
いつもハマると一直線になりがちなので(今の時点でもかなり山田永さんの影響が拭えませんが)、できるだけ複数の視点を取り入れていきたいと思っています。
・・・単純にいろんな意見が楽しいだけというのもありますが(笑)
ご存知のとおり、何が正しいのかとても不鮮明な分野ですので、もし思いついたことやご存知のことなどございましたらぜひお気軽に教えてください!切実に!

>そして、兼倉さんもPerfumeお好きなんですね!
>私もPTA入ってたくらいにはファンだったんですが、今は静かにCDやDVDで応援です☆
>あ~ちゃんいいですよね!


なんと!ぴっころさまもパフュファンでしたか!
しかもファンクラブに入会していらっしゃったとは!
一緒に行った友達はライブが終わった直後「PTA入ろうかな・・・」と熱心に検討していました。
私はまだ入っていませんが、ちょっと揺れています。
何といってもあ~ちゃんがかわいいんです!大好きなんです!
でもライブにいったら三人が一緒にキャイキャイしてるのが猛烈にかわいくて悶えまくりでした。
広島弁も鳥取弁と近くて(私は鳥取県民です)ライブのMCで広島弁を聞いてかなり親近感が湧きました。
一生懸命さや誠実さが凄く凄く伝わってきました。
気持ちを伝えることに一生懸命な人って本当に輝いて見えます。
アンコールのときのあ~ちゃんの涙に貰い泣きまくりでした!
Perfumeのライブは私も友達も初参加でしたが、終了直後に「また来よう!」と固く誓い合いました。
行ってよかったです!

サイトと全然関係ないことで熱く語ってスミマセン・・・!
コメントありがとうございました!!
10連パチ!感動です!うおおおおおお!!頑張ります!!
ぴっころさまのまたのお越しを心よりお待ちしております!!


Rieさま
ようこそお越しくださいましたRieさま!!
お待ちしておりました!!
これをどうぞ・・・!つ[氷結]<今回のPerfumeライブは氷結協賛だったので、今晩は氷結を飲んでおります!(酔っ払い)

>Perfume私も好きです。ディスコとか、レーザービームとか、少しレトロな言葉にあの楽曲を合わせてくるところが好きです。

ほんのり'80年代の香りがしますよね!
ワンルーム・ディスコやチョコレイト・ディスコやレーザービームやポリリズムも目の前で観ました!格好良かったです!
あと、会場には三人のコスプレをしている人もたくさんいました。
みんな超・美脚&超・美人でライブが始まる前からどっきどきでした。
かわいい人や美しい人は目の保養になるとつくづく思いました。

>レーザービームを聞くと、なぜか! 現パロおぐとこが想起されて胸が痛くなるので危険です。

!!!!!!!!!!
聞き直したらもうおぐとこにしか聞こえなくなりました・・・!
遠子の視線は確かにレーザービームかもしれない!
うおおおおおおおお!!!!
素晴らしき情報をありがとうございましたm(__)m
今後レーザービームを聞くたびに激しく動揺する人になると思います。(悔いはない)

>厳島神社もうらやましいです!

厳島神社は凄いです!
普通の神社や神社についたときからドキドキしてくるのですが、厳島神社の場合は宮島に渡るフェリーに乗ってる時点でもうハイテンションです!(顔は冷静を装っているけれどにじみ出る高揚感はどうしようもない)
島全体が何か他の場所とは違うような気がします。
厳島神社は神社としても好きなのですが、実は小学校の修学旅行で訪れた場所でもあるので、そういうところでも特別な思い入れがある神社です。
一緒に行った友達もあの頃一緒に宮島に行った人なので、当時の思い出話にも花が咲きました。
大人になってからは今回含めて三回行ってますが、毎回とても楽しいです。
厳島神社イエーイ!!

>面勝つ神ウズメの話 とても面白かったです!!
>学者の先生方によって、読み解き方がちがうことが驚きであり、とても楽しいです!!
>ニニギの天降りと写真も楽しみにしています!


お読みくださってありがとうございます!
書く書く詐欺を何とか脱却できました。
神話に興味を持つ前はアメノウズメは天の岩屋戸の前で踊ったということしか知りませんでしたが、実はその後もいろいろと活躍していてびっくりしました。
アメノウズメの踊りが神楽の起源ということで、最近石見神楽に傾倒しつつある私としては見逃せない神でもあります。
私の持っている本はまだまだ少ないのですが、他の方の書いた本ならまた面白い解釈をしていると思います。
そのくらいアメノウズメは注目度が高く、謎の多い神様でとても魅力がある存在だと感じました。
ニニギの天降り写真厳選中です!(笑)
雨の中の写真なので大したものはありませんが、画像を通して私の興奮っぷりは伝わるのではないかと思います。ご期待ください。(どんな期待だ)

>それにしても、何度読んでも千種のSっぷりが光ってますね!(拍手の現パロ藤千) 

ぶはっ!(笑)
実はあまり意識せずに書いてました!

千「ありがとうRieさん。藤太にもっとひどいことが言えるように頑張るわ」
藤「え、千種!?え、千種!?」
千「あら、どうかしたの藤太」
藤「千種、今のはきっと愛情の裏返しだね。きみは照れ屋だから」
千「藤太、愛してるわ」
藤「え!?」
千「うそよ」
藤「えぇ!?」
千「ふふふ」
藤「な、なんてひどい仕打ちなんだ・・・くっ」
千「泣かないで藤太。わたし、あなたといるととても楽しいわ。ありがとう」(チュ)
藤「!!」

阿「・・・藤太、その話はもう10回は聞いた」
藤「阿高!おれはやっぱり千種に愛されている!」
阿「・・・もう、おまえがそう思うんならそれでいいよ」


現パロ藤千はいろんな可能性があると固く信じています。

コメントありがとうございました!!
Rieさまのまたのお越しを心よりお待ちしております!!


琴さま
ようこそお越しくださいました琴さま!!
お待ちしておりました!!
さっそくこれを・・・つ[そば茶]<そば茶友の会素晴らしいです!一緒にそば茶を広めましょう!

>前回・前々回のコメントでは失礼しました。
>今後はあまり意識しすぎないようにします。
>兼倉さまの返信、暑苦しくないですよ!
>むしろあの語り口調が大好きなので、これからもそのままでいて下さい!


うおおお!ありがたきお言葉!
それでは、お互い自重しないということで!(確実に遠のく大人の落ち着き)

>天孫降臨の記事、楽しく読ませていただきました。
>わたしは記紀から歴代天皇図鑑のほうにそれていってしまった人間なので、(家計図大好き人間なので)


歴代天皇図鑑!!!
それはもしかしてハードカバーで全員がカラーで描かれているアレですか!?
祖父が持っているような気がします。
かなり高価で祖父はいつも金庫に入れて補完してました。
凄いです!
そして天孫降臨ながながと続けててスミマセン・・・!
書きたいことがありすぎてまとまりません。
天孫降臨は本当に面白い神話だと思います。
その面白さを少しでもお伝えできるよう全力を尽くします!

>読んだことがあるとは言え、かなり記憶が抜けてきています。

少しでもご記憶を辿るお手伝いが出来たでしょうか。
好きなものを改めて思い出して、やっぱり好きだと実感する瞬間はとても幸せな気持ちになります。
好きだと思っていても、普段は中々細かいことまで思い出すことは難しいですよね。
ここで少しでも神話に思いを馳せるきっかけをつかんでいただけたらとても嬉しいです!

>学者の方の色んな説があっておもしろいですよね。
>「これが正解!」とはっきりしないところも魅力のひとつだと思うので・・・。
>個人的には呪術的な観点からみた説が好みだったりします!!


本当に面白いです!
みんなが同じものを見ているはずなのに、どうしてこんなに違う意見が出てくるのか。
もしかしたら、私の考えていることも受け入れてもらえるのか。(寝言)
何とかして当時のことが探りたいという思いで手を出した分野でしたが、深まれば深まるほど謎が増えていきます。
しかしその謎が楽しくもあるという。
本末転倒も甚だしいですが、楽しんで続けられるかぎり続けていきたいと思っています。
呪術的な観点!それは面白そうです!
よろしければお暇なときにでも詳細をおしえてください!

>緑色のものに全部「科戸」と名づけていらっしゃるんですか?!すごいなあ。

部屋で緑の靴下に「科戸」と呼びかけたり(無意識)、外で緑色の車を見かけると心の中で「科戸・・・」と唱えたり(無意識)明らかに人として超えてはいけない壁を越えてしまっているような気がします。
どうすればいいんだ・・・!(手遅れ)

>わたしの好きな歌手に土岐麻子さんという方がいるのですが、その方の歌で「薄紅のCITY」というのがあって、それを聴くたびににやにやしてしまいます。
>まったく気が抜けないですよ(笑)


カラオケで歌っているときに歌詞にいきなり萌えキーワードが出てきたりすることもありますね!
ホント世の中危険がいっぱいです。(隠れオタ的な意味で)

楽しいコメントありがとうございました!!
琴さまのまたのお越しを心よりお待ちしております!!


1日の2時台(9連パチ!阿苑②ですか?)と11時台(2連パチ!)と16時台(10連パチ!!!)と20時台と2日の1時台と6時台と20時台と23時台(10連パチ!!!)に拍手を下さった方々ありがとうございます!!!
私は日向神話の人気を甘く見ていたようです!!!
明らかに出雲神話のときよりもご反応をいただけておりますね!
おみそれいたしました!
日向神話これからますます楽しんで語ろうと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします!!
拍手ありがとうございました!!!

日向神話~天孫降臨~(その二)

4月になってしまった・・・!
遅くなってしまってスミマセン!日向神話再開します!

まず前回のあらすじから。

アマテラスは息子のオシホミミに葦原中国を治めるように言いましたが、オシホミミは葦原中国には野蛮な国津神がたくさんいるため行きたがりませんでした。
アマテラスは神々と話し合い、何とか国津神の最高神大国主命を隠居させました。
これで安心とオシホミミに再度葦原中国に行くように言うと、なんとオシホミミは生まれたばかりの息子ニニギを自分の代わりに葦原中国に遣わすべきと言い出したのです。
アマテラスはその意見を受け入れ、ニニギに葦原中国を統治するよう宣言しました。


「おれはけっして行きたくないわけじゃなかったんだよ。ただ、息子のニニギのほうが相応しいと思ったからそう言ったんだ。ホント、行きたくないわけじゃなかったんだよ!信じてね☆」(オシホミミさん談)

怪しいものです。

さて、そんなこんなでニニギの天降りが決まりました。
続きを見てみます。

(しか)くして、日子番能邇々芸(ひこほのににぎ)命の天降(あまくだ)らむとする時に、(あめ)()(ちまた)()て、

(かみ)は高天原を(てら)し、
(しも)は葦原中国を(てら)す神


(ここ)に有り。

なんか物凄いド派手な神様が出てきました!
高天原から葦原中国まで光が届くなんて相当凄いことではないのか!?
怪しいと思わないほうが無理というものです!

故爾(かれしか)くして、天照大御神・高木神の(みこと)(もち)て、天宇(あめのう)()売神(めのかみ)(のりたま)ひしく、

(なむち)は、手弱女人(たわやめ)にあれども、いむかふ神と(おも)()つ神ぞ。(かれ)(もは)(なむち)()きて()はまくは、『()御子(みこ)天降(あまくだ)らむと()る道に、(たれ)ぞかくして()る』ととへ」

とのりたまひき。

アマテラス「ねぇウズメちゃん、あなたは女神だけど、どんな神とにらめっこしても勝てる神よ。あなたならあの怪しい神も平気よね。お願いよ、『どうしてニニギの天降ろうとしている道にいるの?』って聞いてきて」

無茶振りもいいとこだよね!
ウズメさんはオー人事に電話しても許されるレベルだと思うのですが、学者先生方はそうはおっしゃいません。(当たり前)
なぜここでウズメさんが選ばれたのか。
面勝つ神とは?
いくつかの説を引用してみます。

(山田永さん説)
光は強烈です。
それに立ち向かえるのはアメノウズメしかいないというのも、これまた面白い話です。
なぜ、あの美しいアメノウズメが、と思ってしまいます。
「面勝つ神」とは、「にらめっこしても負けない神」という意味ですが少し補足します。
アメノウズメは、笑わない神だとか相手よりもすごい形相だというわけではありません。
強烈な光にも目をそむけることのない、正対して正視できる神だと思われます。
アメノウズメは、アマテラスが天の石屋にこもった時に踊った神でした。
暗闇の中でも踊れる神。
また、アマテラスが戸を少し開けた時に、「アマテラス様より尊い神様がいらっしゃいますよ」と告げた神です。
アマテラスと最も近い距離でしゃべった神です。
アメノウズメは、暗闇の中でも強烈な光に対しても大丈夫な目を持っていたのかもしれません。
それがアメノウズメが選ばれた理由だと私は想像します。


(三浦佑之さん説)
(面勝つ神とは)にらめっこをして絶対に負けない神。
裸体をさらし妖艶な踊りで神々を魅了したアメノウズメが、一方では、得体の知れない神の妖気をはね返してしまうほどの力を顔面に持つ女神だというのは興味深い。
おそらく、相手を魅了する肢体と相手を圧倒する顔面がウズメの二面性であるとともに、両者はじつは同じものだということもできる。
相手を圧倒する力とは、相手をこちら側に屈伏させることであり、それは、肉体によって魅了してしまうのと同じだからである。
そこにウズメのシャーマン性が窺えるはずである。


(西郷信綱さん説)
(面勝つ神とは)面と向かって敵に勝つ神。
日本書紀には「汝は是、人に()()つ者なり」とある。
シャーマンの目はきらきらと異常に輝いているといわれるが、アメノウズメも鋭い面貌の持ち主であったことが、これで分る。
(略)悪霊にたいし「目勝つ」こと、「面勝つ」ことは、シャーマンたるものの資格であったといえよう。


ほー!
いろんな捉え方がありますね。
三浦さんと西郷さんは結論にウズメがシャーマンであることを持ってきていますが、立場自体は違っているような気がします。
三浦さんはウズメが「屈伏させること」=「魅了してしまうこと」と、相手を取り込んでしまう(思い通りに動かす?)力があるのではと考えておられるようですが、西郷さんのウズメは敵の力を撥ね退けるような印象を受けます。
結局どちらもウズメが優位に立つ力があるといっていると考えれば同じともいえるかもしれませんが。
それに対して、山田永さんの説は相変わらず面白いですね。
アメノウズメがアマテラスを天の石屋戸から出すときに踊っていたり近くで会話していることに注目して、「暗闇の中でも強烈な光に対しても大丈夫な目を持っていたのかもしれません」と語るとは。
人によっては、それがシャーマンと結論付けるかもしれませんね。
それも有りです。
しかし、山田永さんはあくまでも古事記を物語として読むという姿勢を大事にしておられます。
古事記から実際の歴史や他の何かを読み取るのではなく、古事記を一つの文学作品としてその物語性を読み解くことを重視するという姿勢です。
こんな姿勢もとても面白いと思っています。
もちろん古事記を読むことで当時に思いを馳せるのが悪いというわけではありません。
学者の先生方はそれぞれ個性的な立場や意見があるんだということが、私にとってはとても面白く感じられるのです。

さて、話が逸れてしまいました。
続きです。
無茶振りされたウズメさん(笑)
怪しい神様の正体は分かるのでしょうか?

(かれ)、(アメノウズメが)問ひ(たま)ひし時に、(この光る神は)答へて(まを)ししく、

(やつかれ)は、国つ神、名は(さる)田毘古(たびこ)ぞ。()()所以(ゆゑ)は、『(あま)(かみ)御子(みこ)(が)天降(あまくだ)()す』と聞きつるが(ゆゑ)に、()(さき)(つか)(まつ)らむとして、()(むか)へて(はべ)り」

とまをしき。

怪しい神「私は国津神です。名前はサルタビコ。天孫様が天降っていらっしゃると聞いたので、道案内をさせていただこうと参ったのです」

怪しい神様の正体が分りました!
なんと国津神のサルタビコさんがニニギの道案内に来てくれたというのです!
思いっきり怪しいと思ってたら、実は親切な神様でした。疑ってごめんね!
ちなみに、サルタビコさんがこんなに光り輝いている理由の一つには、「サル」の顔やお尻が紅いからではないかといわれています。(こじつけ、か?)


さて、今回はここまでにしておきます。
天降るところまでいけなかった・・・!
次回はいよいよニニギが天降る場面です。
高千穂の写真を貼ります!

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