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神話博しまね・二回目

日曜日に行ってきた神話博しまね二回目の画像をUPします!
また神楽メインですがどうかお許しを・・・。
今回はちょっと腰をすえて石見神楽「八岐大蛇」を見てみようと思います!(といっても結局ダイジェストですが)
写真たくさんあります!重かったらスミマセン!
それでは石見神楽の花形演目といわれる「八岐大蛇」をどうぞお楽しみください!


スサノヲが老夫婦と若い娘のところに現れます。
そしてこのスサノヲにはお面がない!
夏は蒸れるのでお面無しでやることが多いみたいです。
ス「おまえたちは、何者だ。どうしてここで泣いておるのだ」※台詞は古語で演じられていますが、ここでは現代語に訳しております。そして9割私の捏造です。お許しください・・・
足「はい、私はアシナヅチ、これは妻のテナヅチと娘のクシイナダヒメです。実は私たちには八人の娘がおりましたが、毎年ヤマタノヲロチという化け物が一人ずつ娘を食べてしまい、最後に残ったこのクシイナダヒメがこれからヤマタノヲロチに食べられてしまうので、それが悲しくて泣いております」
お決まりのシーンです!
この神楽団ではこの直前にクシイナダヒメの姉が大蛇に食べられてしまうシーンも演じられていました。
古事記にはないシーンですが、なかなか迫力があります!




ス「私は天照大御神の御弟『建速須佐之男命』である。私が助けてやろう」




ク「なんてイケメンなの・・・!」(間違い)




ス「それでは、お前たちはよく醸した酒を造り(略)」
足「はい」
ス「クシイナダヒメは私ときなさい」
ク「はい」





足・手「じゃああとは若い者同士で楽しくおやり。ふぉっふぉっふぉ」(間違い2)




足「よし、じゃあばあさん。わしらは酒を作るぞ」
手「ほいな」





足「まずこうして(ぐ~りぐ~り)。ほれ、次はばあさんじゃ」




手「ほいな(ぐ~りぐ~り)。よしよし、美味い酒ができたようじゃ。それではこれを・・・」




足・手「観客の皆さんにもいっしょに味見してもらおうかのう」




なんと酒樽の中にはアメ玉が大量に!
子どもたちがたくさんやってきます!!
実は石見神楽ではしばしばアメ玉を配るパフォーマンスがあるんです。
足「ほれ、たくさんあるで、みんな一列に並ぶんじゃ」
子どもたち「はーい」

子どもたちもなれたものです。
さすが島根っこ。
ちなみに大人も貰えます。(私も貰ってしまった・・・!)




あ!アメ玉を配っているうちに舞台の上には火を吹く大蛇が!




ものスゴイうねり具合!




それを客席でのんびり眺めるアシナヅチとテナヅチ夫婦。(いいんかい)




足「ばあさんや、お客さんも見とるし、さすがにまずいじゃろう。そろそろ戻らんか」
手「おお、おお、そうじゃなおじいさん」

やっと重い腰を上げる二人。




手「よっこらせ。さあ、おじいさんも今のうちに」
足「ああ、今行くよ・・・あ!」





大蛇が再びうねりだしたので戻れなくなったアシナヅチ。
足「ば、ばあさんや~」




手「おじいさ~ん」
引き裂かれた二人の運命は・・・!?(別の話になった)




大蛇のうねりはますます激しくなります。




その様子を仕方なく客席から眺めるアシナヅチ(の手と杖)。←右端




大蛇の素晴らしい酒の飲みっぷりに、会場からは拍手喝采!(事実)




他の大蛇たちもがぶがぶ飲んでいます。




一気飲み大蛇!
大蛇たちはみんな寝てしまいました。
するとそこへ・・・




真打登場!そうだ、これ大蛇退治の話だった!(忘れんな)




大蛇が寝ているか慎重に確認中のスサノヲさん。
ス「よし、よく寝ているようだ。では・・・」




十拳大刀にそっと手をかけて引き抜くスサノヲ。




慎重にはじめの獲物を見極めて・・・




ズバッ
一刀両断!
他の大蛇もズバッ!ズバッ!と切りかかります!
(※写真左端にご注目。アシナズチはちゃっかり戻ってきました)




一気に目を覚ます大蛇たち!
ここからスサノヲと大蛇たちの大立ち回りが始まります!
ここが『八岐大蛇』で一番盛り上がる場面です!




回りこむスサノヲ!
暴れる大蛇!




一匹目をやっつけるのか!?




ああ!つかまった!スサノヲー!




大刀しか見えなくなってしまった!




こんなことで負けるスサノヲじゃない!
よく見定めて・・・エイ!




グサッ!!




ズバッ!




1匹目の大蛇の首を取った!




続けて・・・




ザバッ!




なんだかんだで(スミマセン)最後の大蛇!




何度も危なくなりながら、何とか隙を見定めようとするスサノヲ!
そして・・・




ス「ここだ!」
グッッサァァァ!!




最後の力で苦しみのた打ち回る大蛇。




トドメ!




最後の大蛇を倒したら、尻尾から大刀が出てきました。
ス「これを天叢雲剣と名づけて天照大御神に献上することにしよう」
剣を寿ぐ舞を舞うスサノヲ。



ご覧頂き誠にありがとうございました!
そして千原神楽団の方々お疲れ様でした!


かなり簡易的でしたが、雰囲気は伝わったでしょうか?
生で見ると写真の数万倍は興奮しますので、心臓の弱い方はお気をつけください!(大真面目な顔で)
神話博しまねへのご来訪をよろしくお願いします!(※兼倉は島根県の回し者ではありません)

「神話博しまね」一回目

題名からして何度も通う気満々の私の盛り上がりが伝わるでしょうか!?
この間の日曜日(29日)ついに「神話博しまね」に行ってきました!!!
友達と二人で午後から訪れたのですが、なんせカンカン照りの炎天下で水分補給しながらでなければ動けないありさまでした。
それでも通りに並ぶお店に出たり入ったりで、何とか現地に到着。(混んでいることを考えて駐車場を少し離れた場所にしたのでした)
入るとすぐに祭囃子の笛や太鼓の音が聞こえてきました!
間違いない!これは石見神楽の八調子!(※通常の神楽は六調子)
さっそくテントの中に乗り込むと、そこでは5匹の大蛇がうねっているところでした。
しかし、なんだかいつもの大蛇と違うような気がする・・・。



んんん?
何か、いつもは無いものが見えるような?
もう少しよく見てみると・・・



大蛇がしまねっこ(帽子)被ってるー!!!!(驚愕)
石見神楽の舞手さんたちはいつもノリが良いのは知ってましたが、このノリは初めて見ました。
いつもは恐い大蛇ですが、この大蛇はかわいいです。
ニヤニヤしながら真打(スサノヲ)の登場を待っていました。
ここで、まずは石見神楽のスサノヲの一般的な服装をご覧ください。



これです。
これは3月に見に行った由志園の写真です。(@温泉津舞子連中さん)
普通はこんな感じで何となく平安時代あたりの「直衣」をイメージしたような格好が多いです。
しかし、今回の神楽ではなんと、古代衣装だったんです!!!
ご覧ください!!!






古代衣装のイケメン(たぶん)のお兄さんが大刀を振り回してる!!!!
びっくりしました!!
考えてみればスサノヲの衣装としては古代衣装の方がイメージに合っているんですが、今まで見てきた石見神楽は全部直衣だったので、ずっとそういうものだと思い込んでいました。
見栄えの点からいえば、やっぱり直衣の方が綺麗なのですが、萌えの点からいえば、古代衣装はハイパーテンション上昇するぜ!と思いました。
とても楽しかったです。

イベント開催中は毎日石見神楽を上演しているようです。
また、神楽だけでなくいろんなイベントが企画されています。
皆さま、この機会にぜひ出雲へおいで下さいませ!

日向神話こぼれ話~「五世の孫とは」&「御毛沼命の足跡」~

前の記事で予告させていただいたとおり
<神武天皇がアマテラスの五世の孫である意味>
<常世国に渡ったはずの兄・御毛沼命が高千穂で鬼退治をした話>

の二つについて簡単に書きます。

<神武天皇がアマテラスの五世の孫である意味>

山田永さんがとても面白い考察をされていたので、皆様にご紹介いたします。

最近遠山一郎氏が「『古事記』における五世の孫」という論文を発表しました。
ホヲリと神武天皇の間にウガヤフキアヘズをおくことで、神武天皇はアマテラスの五世の孫になるというのです。
(けい)()(りょう)という当時(古事記成立ころ)の法律によると、「親王(天皇の兄弟や皇子)より五世は天皇の親族ではない」とあります。
継体天皇は応神天皇の五世の孫だったから、皇位を継承できたのです。
それにあわせて、神武天皇はアマテラスの五世の孫になっていると遠山氏は考えています。
こうすることで、神武天皇はアマテラスの「血すじの内」に位置づけられたというのです。
たしかに、神武天皇だけは、天皇なのに「天つ神」と古事記中巻で呼ばれています。
神々の巻(上巻)と天皇の巻(中巻・下巻)とのつなぎとして、神武天皇は天皇でもあり天つ神でもあったのです。
(一方)オホクニヌシについても少し解説します。
なぜスサノヲの六世の孫なのでしょうか。
日本書紀(神代第八段正文)は、二神を親子と記しています。
「その方が短くてすっきりするのに」と思う人もいるでしょう。
菅野雅雄氏は、六世の孫を次のように説明します。(略)
仮にアマテラスを天皇にあてると、弟(スサノヲ)は親王となるので、六世の孫オホクニヌシは皇族ではないことになります。
だからオホクニヌシは、「王権(皇権)とは全く縁を絶たれた仮構の王者」となると菅野氏は考察しました。
卓見といえましょう。
そのため、オホクニヌシは国を作っても自分のものにはできないのです。
これははじめから与えられている条件なのです。


いかがでしょうか。
なかなか面白いと思いませんか?
葦原中国がもともとアマテラスの領分であるという根拠は何度かここで書きました。
神武天皇はその王権を継ぐ資格があり、さらに行動を起した(神武東征)ので、彼が打ち立てた国が葦原中国で続いていくことになりました。
一方大国主命も行動を起しましたが、彼には元から地上を治める権限(王権)はなかったため、国を譲ることになりました。
・・・という読み解きです。
「ほほぅ」と深く頷く方もあれば、「いやそれはどうだろう」とツッコミたい方もいらっしゃるでしょう。
「面白い!」と心のメモ帳にそっと書き加える方もいらっしゃるかもしれませんね。
何が正しいのか、本当はどうだったのか、それを知ることは不可能といっていい分野です。
みんなで好きに楽しみましょう!

それではもう一つの話。

<常世国に渡ったはずの兄・御毛沼命が高千穂で鬼退治をした話>

上巻最後で「御毛沼命は、波の穂を踏みて常世(とこよ)国に渡り()し」と書かれ、中巻以降は一切出てこなくなってしまった御毛沼命ですが、高千穂では別の伝承が伝えられています。
それによると、当時高千穂の付近に鬼八(きはち)という悪者が住んでいましたが、それを御毛沼命が退治して、現在高千穂神社に奉られれているとのことです。
詳しい伝承についてはhttp://www.miyagin.co.jp/pleasure/0102.htmlこちらのページをご参照ください。
良くある鬼退治の話ですね。
中国地方だと、岡山県の吉備津彦も似たようなことをしています。
こういう話を聞くと毎回、「実は鬼の方が地元の名士だったんじゃないのか・・・」という妄想をしてしまいます。
吉備津彦の方の鬼の名前は温羅(うら)というのですが、この鬼八にしても温羅にしても、個別に奉られています。
悪者として退治された存在を神として奉るのも、また日本ではよく見られることですね。
日本独特のことなのか、海外でも見られることなのか、今後の課題として残しておこうと思います。

これにて、日向神話語りを終えます。
終えるといっても、また何かネタが見つかったら、その都度ご紹介させていただこうと思っております。
私自身、この語りで日向神話に大変興味が深まりました。
実際に日向の地を訪れて、その神話を調べるのはとても楽しかったです。
引き続き注目していきたいと思います。

ここまでお付き合いくださった方、本当にありがとうございました。
随分私の好きなことばっかり語ってしまったので、ほとんどの方を置いてけぼりにしてしまったかもしれないという自覚はあります。本当にスミマセン・・・。
少しでも私の「神話が好きだ」、「面白いんだ」、という気持ちが伝わっていたらいいなと思っています。
今年は古事記編纂1300年の節目の年なので、この機会に古事記ファンが増えてくれることを願いながら、できればそのお手伝いをしたい気持ちで今年は古事記に特に興味を持って追って行く予定です。
今後ともお付き合いいただける方は何卒よろしくお願いします。

また、創作への熱い思いも滾っております。
薄紅やNGもネタができたら語ったり創作したりする予定です。
こちらもよろしければ、ぜひ。

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Re:当サイトは11歳になりました
2021/12/09 20:35 兼倉(管理人)
Re:当サイトは11歳になりました
2021/11/27 12:01 りえ
Re:お返事です!
2021/05/09 13:07 兼倉(管理人)
Re:お返事です!
2021/05/03 11:50 mikayasi
Re:お返事です!
2021/05/03 11:19 兼倉(管理人)