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お返事です!

りんこさん

>わたしも白熱教室見ました
>あれ以来
>心情を伝えてくださってありがとうと思いながら本を読むようにしています
>ちゃんとわからなくてごめんなさいと思うこともあります


私がこれまでよく読んできた本の作家さんの多くが「作品は完結した時点で自分を離れている」というようなことを主張される方が比較的多かったので、カズオ・イシグロさんのように作者本人と作品を直接繋げて話される方はちょっとした驚きでした。
よく考えてみれば当たり前のことだったかもしれません。
二次創作に手を染めてしまっている人間としても、わきまえるべきことのような気がしました。
作家の方が何か伝えたいことがあって大変な思いで世に送り出してくださったものを、安易に捻じ曲げた解釈をしてはいけないし、それを忘れてしまっている二次創作作品ほどどんなに技術のある人が書いていても「つまらない」と感じるのはそういう理由かもしれません。
私もめっぽう国語が苦手なので、いつもちゃんとわかっていないんだろうなと自分で思いながら本を読んでいます。

>カズオ・イシグロさんの
>「わたしを離さないで」がとても好きです
>感謝をささげています
>ほかにも何作か読みましたが、ちゃんと受け取れなくてごめんなさい…でした


そうなんですね。
やっぱり合う合わないはあるんでしょうか。
実は私もりんこさんが書いておられたので「わたしを離さないで」と「忘れられた巨人」を買ってみました。
あまりまとまった時間が取れなくて読むのが遅くなるかもしれませんが、読み終わったら感想を簡単に書こうかと思っています。

コメントありがとうございました!

私の部屋の外は現在、雨に強風が混じって凄まじい模様です。
皆さまがお過ごしの土地はいかがでしょうか。
現代だからこそこんな状況を部屋の中でぼんやり眺めたりできますが、古代ではどれほど大変だっただろうと思ったりします。
山上憶良の「貧窮問答歌」は学校で習った記憶のある方が多いと思いますが、その冒頭は

風交り 雨降る夜の 雨交り 雪降る夜は
  すべもなく 寒くしあれば 堅塩を 取りつづしろひ・・・・・・

(現代語訳)
風にまじって雨の降る夜、その雨にまじって雪の降る夜は、
何とも処置なく寒くてならぬので、堅塩(かたしお)をかじったり・・・・・・

この「風のまじる雨」「雨のまじる雪」というのは、まさしく鳥取西部の気候そのものです。
山がちな東部地域と違って西部は中国地方最高峰の大山(だいせん)までは平地が広がっているので、海からの強風が一気に吹き抜けていきます。
この風は海からの水蒸気を多く含んでいて、それが大山をはじめとした中国山地の山々にぶつかってたくさんの雨、冬は雪を降らせます。
「風のまじった雨」は傘をさしていようともまるで体を叩きつけるように降るので、学生時代はよくびしょ濡れになっていました。
「雨のまじる雪」はどんなに払っても体にまとわりついて芯から凍えさせられたものです。
現代だからこそほとんど苦にはなりませんが、古代ではどれほど過酷な状況だったことでしょう。
もちろん全国それぞれの土地で懸命に生きていた人々がいたことは疑う余地もありませんが、この憶良の「貧窮問答歌」の冒頭はどうしても私が生まれ育った土地を思わずにはいられません。

※「貧窮問答歌」は「貧困」というテーマを普遍的に詠んでいる歌なので、特定の故地が無いのは周知の事実であり、私もわきまえております。

ありがとうございます!

10連パチのお方、2連パチのお方、ありがとうございます!!
いろんなことをぐだぐだ考えるのが好きな面倒くさい私ですが、ご反応を頂けることがとてもありがたく、嬉しい気持ちです。
ちなみに先日放送された白熱教室は私が観はじめてからは初めての数学のお話で、今後の展開が非常に楽しみです!!
数学の様々な分野がその垣根を越えて繋がる話はもう本当にエキサイティングでたまらなく面白いです。
数学に限ったことではありませんが、物事の楽しみは「繋がる」ということかもしれません。

お久しぶりです

お久しぶりです。
まさか一か月以上もご無沙汰してしまうとは。
ひとつ前の記事でNGライフについて書いた直後にNGサイトから拍手を下さった方ありがとうございました!
こんなに早いご反応があろうとは・・・!(気付くのとお礼が遅れてしまってスミマセンでした!)
NGライフは本当に愛されている作品なのだなあと実感しました。
私も好きです!!
年に一度のいい夫婦の日が近づきつつあるので、何かちょっとでもできたらいいなと思います。(薄紅も)


7月半ばに放送された「白熱教室」という番組をご覧になられた方はおられるでしょうか?
「白熱教室」は毎回いろんな分野の第一線で活躍している人が大学などで学生や一般の方々を対象に公開講義?を行っている内容です。
海外(アメリカ?)の番組ですので言語は英語ですが、吹き替えで放送されているので私のような日本語しか分からない人間にも優しい作りです。
私は基本的には理系的な話題のときだけ録画しているのですが、7月半ばに放送されたのは「文学白熱教室」と題して日系イギリス人の作家「カズオ・イシグロ」さんが出演しておられたので、軽い気持ちで録画予約をしました。
しかし日常でテレビをほとんど見ない人間なので、この番組を見たのはやっと先月の中頃。
遅いと思われることでしょうが、この時のHDの中にはまだ5月に録画したものが未視聴のまま残っておりました。
私のテレビ生活はそんなテンポなんです。(今は最古は6月になっています)

「カズオ・イシグロ」さんといえば、最近りんこさんがサイトで読んだと書いておられた「忘れられた巨人」が最新作です。
番組ではそれについても触れておられましたが、メインは

どうして人はフィクションの物語を書くのか?読むのか?

というテーマを「記憶・感情・嘘」というキーワードで語っておられました。(※このキーワードは私が勝手に抜き出したものです)
学術書やエッセイ(随筆)など、事実を書いたり読んだりするのは分かりやすく実利に適っている。
では、どうして嘘と分かりきっている小説などの物語を書くのにこんなに力を注ぎ、またそれを嘘と分かっていながら読む人がこんなにたくさんいるのか?
始めはテーマの確信に触れる内容からは程遠い話を延々されているように思えて中々入り込めなかったのですが、終盤にかけて一気にそれらすべてが絡み合って結論に至りました。
さすが小説家という感じでした。
ここでは過程を省いて(ごめんなさい)結論だけ書くと

感情を記録するために書く。そしてそれを共有するために読む。

ということでした。
この結論はすごく興味深いと思いました。
ここ何年も歴史や古典に興味を持ち続けてきた私にとっては非常にタイムリーな話題です。
歴史を元に物語を創作する、あるいはそれを読むという行為において、どうしても切り離せないのが「史実との齟齬」です。
「年号が違う」「年齢が違う」とか「史実ではこの人物の事績ではない」「この言葉は仏教用語だからこの時代の人物が使うのはおかしい」とか、とか。
リアリティーの追求をどこまで拘って書くのか(または読む作品に望むのか)。
究極的に追及してしまうと、書くのも読むのも歴史書(あるいはそれに準ずるもの)だけになります。
では、創作(フィクション)が担うものとは?それを読みたいと思う欲求は何なのか?

くっっっっだらない!

と、思う方もおられるでしょう。
私も心からそう思います。
そんな小難しいこと考えて小説や漫画を読んでなんかないよ、と。
そうです。確かにそうなんです。でも。
でも、一方で、どうしても拘らざるを得ない自分もいて、無駄と思いつつもジレンマをかなり長く引きずっています。
今も完全に解消しているわけではないのですが、このカズオ・イシグロさんの「感情を記録する」というお話は、そんな私のジレンマをかなり緩和してくれました。
そして確かに私は前から「1300年も前の万葉集で詠まれた歌が今の人たちと変わらない感情を伝えてくれるのがとても面白い」と思っていたこと、もっと遡ると「空色勾玉」を読んだ直後に聴講しにいった弥生時代の講義で「こんな場所で、狭也が笑っていたのかもしれない」と胸を躍らせていたことを思い出しました。
「感情」は昔と今を、時を越えて繋ぐものかもしれない。
いや、越えるものは時だけではなく場所だったり人種だったり性別だったり思想だったり常識だったり。
そういういわゆる「壁」のようなものは、事実では当然越えられない(努力して近づいたり譲り合ったりすることはもちろん可能だし必要なこともある)けど、「嘘」にはそれを悠々と越える(あるいはその「壁」がそもそも存在しないこととする)力がありますよね。
つまり、物語あるいは神話などには、そういう役目があるのかなと。
少なくとも私が物語を読みたいと思う欲求の根っこの部分にはそういう期待があるような・・・(たぶん)

なにが言いたいかというと、つまりは「感情を記録する」ということをここしばらくずっと考え続けていましたということなんです。
う~ん・・・未だ森の中です。

(追記)
もう一度見返したら表現がちょっと違っていました。
「感情を記録する」→「心情を伝える」
「(感情を)共有する」→「人間としての感情を分かち合う」
ここで訂正しておきます。
上を書き直そうかとも思ったのですが、私の中ではそういう風に理解したという意味でそのままにしておこうかと思います。
また、この番組を字に起こしておられる方のサイトを見つけました。
興味のある方は こちら へ。

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