オホナムチとスクナヒコナの出会い(前編)
- 2011/09/01 01:45
- Category: 趣味>古事記
前回の続きです!
万葉集では親しまれていた神様コンビ「オホナムチ」と「スクナヒコナ」は、古事記ではどんな風に書かれているのか!
・・・ここでまず、「オホナムチ」と言ってますが、実は古事記ではスクナヒコナと出会う時はすでにオホナムチは「大国主」になっています。
万葉集では「大汝」と書かれていて、当時の馴染みの名前は大国主よりも「オホナムチ」だったのだろうと思うので、題名の方はあえてこのようにしております。
その旨ご了承下さい。m(__)m
では、さっそく本文を見てみます。
大国主神 、出雲の御大 の御前 に坐 す時に、波の穂より天 の羅摩 の船に乗りて、鵝 の皮を内剥 ぎに剥ぎて衣服 として、帰 り来る神あり。
ある日のこと、大国主(オホナムチ)は出雲の美保の岬で、とても不思議な神様を見つけました。
波の中をガガイモの実(※
ガガイモというのは植物で、その実の大きさはいろいろありますが、大体手のひらサイズくらいと思っていただければここでは問題ないと思います。
かなり奇抜な登場をしたこの神様の正体は、もちろん「スクナヒコナ」ですが、このガガイモの舟に乗っている姿は、何かを連想しませんか?
♪お椀の舟に箸のかい~♪
手のひらサイズの可愛らしい姿(たぶん)。
実はこの「スクナヒコナ」は御伽噺「一寸法師」のモデルに成ったともいわれています。
神話をモチーフにして物語を作り出す、逆の視点から見れば、神話が後の物語に影響を与えるというのは、いつの時代でも変わらないのかもしれないですね。
さて、続きを見てみましょう。
この妙な登場をした神様が気になってしょうがない(笑)大国主。
そこでとりあえず本人に名前を聞いてみるのですが、どうしてか答えてくれません。
そこで家来のヒキガエルが進言します。
爾 しくて、その名を問えども答えず。(略)爾 しくて、たにぐくが白 して言 はく、
「これは、久延毘古 必ず知りたらむ」
といふに、即ち久延毘古 を召して問ひし時に、答へて白 ししく、
「これは神産巣日神 の御子 、少名毘古那神 ぞ」
とまをしき。
前にも名前をちらっと出したことがありましたが、天つ神の頭脳派担当が
カカシなので動くことはできないのに、世界中のことを知っているんです!
凄いぞ久延毘古!!
誰も知らないと言っている中で
「久延毘古なら、必ず知っているでしょう」
とか言われているのってかなり格好いいですよ!
もう惚れるしかない・・・!(頭脳派にいつも弱い兼倉)
因みに去年奈良旅行に行ったとき、
知恵の神様ということで、勉強関連の願い事が書いてある絵馬がたくさんありました。
実は私もこっそり書いてしまいました…。
確か「日本古代史もっと頑張りたい」的なことを…。
参拝してから約1年経った現在この状況ですので、少しはご利益があったと思ってもいいのでしょうか?^^;
あ、
「幸魂奇魂」の話は、この大神神社の創建譚にもなっているわけです。
話がだんだんずれてきてますが、本文に戻る前にもう一つだけ。
上であえて「たにぐく」(※ヒキガエルの古語)を太文字にしているのには理由があります。
実は以前荻原先生がブログでご紹介なさっていた"「古事記」トリビア"の、これが元ネタの部分なんです。
オギワラーの皆さんの中にはこの記事を覚えておられる方もいらっしゃるのでは?^^
この記事を拝見させて頂いた当時、すぐにここの日記で語ろうかなぁと思ったのですが、なんとなく行動に移せずに流してしまっていたのでした。
今更だけど、書けてよかった!
さて、やっと正体がわかったところで大国主が次にとった行動は・・・
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ちょっと時間切れになってしまったので、ここで一旦区切ります。
次の記事で続きを書く予定です。