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複雑

薄紅の時代考証にはそこまで拘ってないつもりなのです(なんせファンタジーですから!)が、普段読んだり見かけたりする歴史物の創作作品については、実は少し思うところもあります。
例えば薄紅でも出てきますが、皇族や臣下が『怨霊』となって怪異を引き起こすというテーマはよくあるものです。
その中で怨霊が自ら名乗りを上げるシーンで「我は第◎代天皇△△である(ex.我は第七十五代天皇崇徳である)」と言っていることがたまにあります。
私はこの瞬間「・・・あ」と思って凄く冷めてしまうんですが、それはなんとも心が狭いなぁとちょっと自己嫌悪になるんですよね。・・・あー・・・いや、でもやっぱり、うーーん・・・ああああぁぁぁぁ(煩い)。
漢風諡号を名乗るのはまだ分かるのですが(いやでも死後につけられた名前を名乗るのは怨霊の感情的にどうなのかとは思いますが)、「第◎代」と名乗るのはかなりおかしい。
この「第◎代」というのは明治時代以降に確定したものなので、陰陽師なんかが活躍する平安時代には当然存在しません。
せいぜい「先の帝」とか生前の業績や両親・兄弟や子どもの名前(◎◎が兄~なりとか)などなどで名乗るのが適しているのでは?と思ってしまってそこから話に入っていけなくなってしまいます。
気にしすぎとは思うのですが、でもやっぱり知ってる人は知ってると思うんですよね、うん。
よりにもよって大きな見せ場のはずのシーンで時代考証無視というのはどうなのか。
ちょっとした言葉遣いやカタカナ言葉くらいなら気にせず読めるんですけどね・・・。(平安時代を扱った少年漫画で「ストレス」とか「プレッシャー」とか出てきたことがありましたが普通に読み流せました。この辺は現代語に翻訳されていると思えば殆ど気になりません)

でもこんな細かいこと気にしてストーリーの大きな流れとか大事なテーマとかまで見ることが出来なくなってしまう自分はホントに馬鹿だなぁとか頭固いなぁとか凄くしょんぼりします。
もっと、こう、色々表面上ではなく中身を見ることの出来る人間になりたい!

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